じつは帰省していなかった夫

【CASE3】帰省中に不倫が発覚し離婚を切り出した夫

「まさか帰省のタイミングで夫の不倫に気がつくとは夢にも思っていませんでした」というT奈さん(42歳)は、2歳年上の夫とは結婚10年目、小学生の子どもがいる。「夫の実家は遠方にあり、3人で移動すると交通費がかさむことからも、いつも実家へは夫ひとりで帰省することになっていました。でも今年は、子どもの入学祝いをもらったお礼もかねて、久しぶりに孫の顔を見せようと、3人で夫の実家に帰省することを私から夫に提案したんです」。

ところがT奈さんの帰省の提案に対し、夫は困惑気味だったとのこと。「予想外の私からの提案に、夫がギョッとするのがわかりました。さらに『お礼ならスマホのビデオ通話とかでもいいんじゃないかな。T奈にも負担をかけるし、わざわざ一緒に帰ることはないよ』とやんわり拒んできたんです」。

「これは何かあるな」と妻の直感が働いた、というT奈さん。帰省の同行に消極的な夫をよそに、家族3人で夫の実家を訪れたその日、夫の不倫が発覚した。「開口一番、義両親から『本当にお久しぶりね。息子に会うのだって、何年ぶりかしら』と言われました。じつは、ひとりで帰省するといって4~5日自宅を空けていた夫は、もう何年も実家に帰っていなかったんです」。

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帰省を口実に不倫相手と旅行をしていた

その晩、T奈さんが夫を問い詰めたところ、4年前から不倫を続けていて帰省を口実に不倫相手と旅行をしていたことが発覚。「はじめは軽い気持ちだったが、親しくなるにつけ不倫相手のことを本気で好きになってしまった。こうなることは時間の問題だったのかもしれない。本当に申し訳ないが、別れてほしい」と夫から離婚を切り出されてしまったのだった。

「夫の実家で夫婦の修羅場を迎えることになるとは、思いもよらないことでした。義両親もまじえて話し合いをした結果、『子どももいるし、不倫相手とは別れてもう一度やり直そう』という結論にはいたったものの、私は釈然としないまま今にいたります。『不倫相手とは別れた』という夫が、自宅にいても“心ここにあらず”な様子でいるのを見ていると、離婚の選択をしなかったことが正解だったのかわからなくなります」