4個500円の「お高めグミ」が大ヒットしたワケ

2021年後半から2022年に話題を集めた「地球グミ」のヒットも、こうしたZ世代から生まれた。地球グミは、大陸の模様が描かれた透明のプラスチックケースに1個ずつ包装され、地球儀のような見た目。グミの中にはマグマをイメージした真っ赤な「ラズベリー」のソースが入っている。

この地球グミは、正式名称は「Trolli Planet Gummi」。ドイツの老舗メーカーMEDERER(メダラー)社のブランド「Trolli」(トローリ)がスペインの工場で製造している。2020年秋から日本に輸入が始まり、PLAZAなどの店頭に並び始めた。

画像=プレスリリースより
Trolliの「Trolli Planet Gummi」

販売価格は1袋(75グラム、4個入り)で500円以上と、グミにしては高価だが、店舗や正規のオンラインショップでは軒並み品切れ。通販サイト「アマゾン」ではプレミア価格がついた。

SNSの「バズり」と品薄が人気に拍車

今回のケースでは、大規模なマーケティングを行った形跡はない。SNSを通じて、一部の若者や子どもの間で盛り上がったのが特徴だ。2018年ごろ、韓国のユーチューバーがSNSで紹介したのが、そもそものきっかけ。それに日本の「原宿系」と呼ばれるユーチューバーが飛びつき、「地球グミ」を団子のように串に刺したり、「地球グミ」を琥珀こはく糖にして食べる動画を投稿したり、「地球グミ」の“もきゅもきゅっ”とした咀嚼そしゃく音を撮影したASMR動画(視覚や聴覚に刺激を与えて脳に心地よく感じさせる動画)の投稿が相次いだりしていった。

TikTokでは、「口で地球グミのパッケージを割る」動画がバズり、それを真似したいと思ったZ世代が追随した。

韓国のSNSで流行し始めた当初は、「地球グミ」は日本にはまだ輸入されておらず、希少性が高かったこともさらなる人気を呼んだ。輸入されてからも販売数が少なく、品薄や品切れもネタになった。