炭水化物の食べすぎによる終末糖化物質にも注意

しかし、そもそも終末糖化産物を食べて、そのまま腸で吸収されて本当に悪さをするのでしょうか。

食べたものは大部分消化、分解されてそのままの形では吸収されません。たとえば、アルツハイマー病の原因物質とされるアミロイドβをいくら食べても毒となって脳に溜まることはありません。

終末糖化産物をいくら食べても大丈夫と推奨するつもりはありませんが、極端に神経質になる必要はないのではないでしょうか。

とはいっても、高齢者の方は「コゲ」がついた肉や魚は避けるようにしたほうが体にいいかもしれません。

保坂隆、西崎知之『おだやかに80歳に向かうボケない食生活』(明日香出版社)

終末糖化物質で注意すべきは、食べ物からの摂取よりもむしろ、体内でつくられるものです。

ご飯、麺、パンなどの炭水化物は分解されてエネルギー源であるブドウ糖になります。体内でエネルギーとして消費されずに余ってしまったブドウ糖は、備蓄用として肝臓や脂肪細胞などに蓄えられます。

それでもなお余ったブドウ糖は体内のタンパク質と結びつき、体温で熱せられて終末糖化産物ができます。この体内でできた終末糖化物質が蓄積すると老化を促進する要因となるのです。

体内で終末糖化物質ができるのを抑えるには、ご飯、麺、パンなどの炭水化物を食べすぎないことが最も重要です。それとブドウ糖を十分に消費するために毎日、散歩や適度な運動をすることが大切です。

脳はたくさんのエネルギーを必要としています。したがって、身体だけでなく、できるだけ脳を活動させることが終末糖化物質の生成予防に非常に重要といえます。要するに、脳を働かせることは老化予防にもなるということです。

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