CCは報告代わりにならない
メールでの報告で、上司と部下の間にある大きな考えの違いは、CCの重みです。部下は、CCを上司宛に入れておけば、報告・連絡をしているという感覚になります。しかし、上司もその実感はありません。中には、「CCは原則読まない」という上司、「CCは別のフォルダに振り分けている」という上司もいます。CCメールが迷惑メールと同じ扱いになっていることさえあるわけです。
ただ、上司に「このプロジェクトで私が先方に送るメールはCC入れておきますか?」と聞くと、かなりの確率で「一応入れておいて」という反応が返ってきます。そう言っておきながらCCを読まないのは、上司に非がありますが、この際、上司批判はいったん置いておきましょう。
部下側としては、「CCは報告代わりにはならない」と考えておいたほうがよいもの。それは、上司が読まないかもしれないから、という意味だけではありません。CCに書かれているのは、送信者であるあなたが、取引先や関係者に発するメッセージだけだからです。そこには、なぜそう書いたのかという意図、次の一手をこう考えているという構想などの重要情報は記されません。上司はそこが知りたいのです。
ポイントごとのマインド共有は、対面で話す
上司がCCを見ていれば、ある程度、プロジェクトの状況はつかめるでしょう。でも、その背後にある部下のマインドはつかめません。マインドの共有がなされていないと、プロジェクトの土壇場で想いの違いが発覚し、問題になる可能性もあります。
だから、CCだけでなく、ポイントごとに、直メールで自分の意図や構想を伝えておく必要があるのです。
このポイントごとのマインド共有は、対面で話すというのも効果的です。上司世代は「会話を通じて関係を作り、深める」ことを重視してきた人が多いことから、会話はメールやビジネスチャットを補完する強力なツールになると言えます。
今回は、上司とのコミュニケーションの質の向上というテーマで、メールというツールを中心に話を進めてきました。フルリモートでなくても、週1、2はリモートOKという職場は増えており、メールをはじめとして、上司との文書のやりとりによるコミュニケーションはますます大切になってきています。今回の内容を活用して、上司と効率よくコミュニケーションをとっていきましょう。