とりあえず立ち上がる

「どうもやる気が出ない」とか、「動くのが億劫おっくうだと感じる」のなら、まずはその場で立ち上がってみてください。

立ち上がるくらいなら、簡単にできます。

そして、とりあえず立ち上がると、私たちは行動できるようになるのです。ソファに寝そべっていたり、椅子に座っていたりしていると、心がリラックスしすぎてしまい、やる気も生まれないのです。

ところが、立ち上がってみると、身体を動かす準備状態に入ります。そういう心理モードにスイッチが切り替わるのです。そのため、立ち上がるだけでやる気も出てくるのです。

会議というものは、いつまでもダラダラと続くのが普通ですが、立ったままでやるようにすると、会議も盛り上がりますし、決定もスピーディーにできるはずです。

アメリカにあるワシントン大学のアンドリュー・ナイトは、214人の大学生に3人から5人ずつのグループになってもらい、「どうすればうちの大学の入学希望者を増やせるか?」というテーマで話し合いをしてもらいました。

ただし、グループは2つあり、座ったままで話し合いをするグループと、立ったままで話し合いをするグループをもうけました。

話し合いの場面をビデオ撮影しておいたものを後で分析してみると、立ったまま話し合いをするグループのほうが、話し合いが盛り上がり、ユニークなアイデアがたくさん出されていることがわかりました。

椅子に座っているほうがラクな姿勢ではあるものの、それではやる気は出ませんし、会議も盛り上がらないのです。立ったままのほうが参加者はみなエネルギッシュになってくれます。

くつろいだ姿勢だと、決定までの時間もかかります。

アメリカにあるミズーリ大学のアレン・ブルードーンは、立ったままでグループに意思決定をしてもらうと589.04秒で決断ができたのに、座って意思決定してもらうと決断までに788.04秒もかかるという実験報告をしています。

行動的になりたいのなら、とにかく立ってみてください。

何も考えずに、とりあえず立ち上がってみるのです。すると、不思議なくらいやる気が湧いてくるでしょう。すべての作業がどんどんこなせるはずです。

普通の会社に置かれている事務机で作業をすると仕事の能率が悪いと感じるのなら、スタンディングデスクにしてみるのはどうでしょう。椅子に座らずに立ったまま仕事をするほうが、能率もアップすると思うのですが、どうでしょうか。

ポイント
やる気が出ないときはとにかく立ち上がってみる
仕事の能率が悪いときはスタンディングデスクで作業してみる

女性のほうが男性よりも行動力がない

読者のみなさんは、「守株待兎しゅしゅたいと」という言葉をご存じでしょうか。

たまたま切り株で転んだうさぎを捕まえることができた人は、それからずっと切り株のそばで兎が来るのを待ち続けた、という逸話に由来する言葉です。一般には愚か者がすることを意味します。

自分の人生というものは、自分で切り開いていかなければなりません。

たまたま幸運なことが起きたからといって、それがいつまでも続くわけがないのです。自分で行動するからこそ、道が開けていくというものです。

女性は男性に比べると、あまり行動力がない傾向にあります。自分から率先して何かをしようという気持ちが男性よりも弱いようです。

なぜ女性のほうが男性よりも行動力がないかというと、アメリカにあるラトガース大学のローリー・ルドマンによると、女性は男性に比べてロマンチックな空想をしがちだからというのです。

ルドマンは、77人の女子大学生にシンデレラや眠れる森の美女などのテーマに見られる、白馬に乗った王子さまのような人がいつの日か自分を迎えに来てくれると思うかどうかを聞いてみました。

写真=iStock.com/D-Keine
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すると、そういうロマンチックな空想をよくする人ほど、学業での成功も、お金も、地位もあまり求めないことがわかりました。

ロマンチックな空想をする女性は、自分で努力をして何かを得ようとするのではなく、王子さままかせなのです。つまりは他人依存の傾向が強かったのです。