ヨドバシが業界2位に躍り出る日も近い

また、顧客満足度についても、ヨドバシカメラはビックカメラを上回っています。

サービス産業を対象にした日本最大級の顧客満足度調査として知られる「JCSI(Japanese Customer Satisfaction Index:日本版顧客満足度指数)調査」において、ヨドバシカメラは13年連続して家電量販店部門のNo.1。ビックカメラは22年度調査では第2位でした。

筆者の個人的な体験になりますが、ヨドバシカメラの販売スタッフは専門知識が豊富で、価格以外のことも、いろいろと教えてくれます。そのため、少し値の張るものを買うときは必ず店舗に足を運び、説明を聞いて購入を決めるようにしています。

現時点(2024年1月)で、西武池袋本店へのヨドバシカメラの出店計画は正式に明らかにされていません。しかし、どのような出店になっても、売上1000億円レベルは確実と言われており、仮にビックカメラの池袋本店が売上を落とさないとしても、ヨドバシカメラが家電量販店2位となる可能性は大きいでしょう。

ヨドバシカメラの現社長である藤沢和則氏は、まだまだ出店空白地があると話しています。そうした立地への出店を見込んでいることもあってか、EC売上、店頭売上、ともに今後のさらなる拡大を目指しており、EC売上は現在の3倍以上の7000億円を計画しているようだという話が漏れ聞こえています。

将来的なEC売上比率は5割を目指すことも伝わってきており、計画通り進めば、売上高1兆4000億円という規模になります。

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「家電量販店とECは相性が悪い」と考えられていた

ヨドバシカメラのここがすごい! ①リアル店舗とECの一体化

今後、さらなる急拡大を目指すと言われるヨドバシ・ドット・コム。そのポテンシャルは、どのような取り組みに起因するのでしょうか?

1つは、いち早く「BOPIS」(ボピス Buy Online Pick-up in Store)を始めたことです。BOPISとは、ECで購入した商品を店舗で受け取れる仕組みです。その立ち上がりは20年以上前にさかのぼります。

Windows95がリリースされ、企業の各部門において、ようやくパソコンやインターネットが日常的に使われ始めた1998年7月、ヨドバシカメラのEC「Yodobashi.co.jp」がオープンしました。2000年5月に「ヨドバシ・ドット・コム」に名称を変更。ちなみにアマゾンの日本市場上陸は、同じ年の11月でした。

2003年にはEC注文の店頭取り置きサービスを開始します。BOPISという名称が広がる前から取り組んでいたのです。

しかし、ECの黎明れいめい期にあったこの頃、特に家電量販店ではECとの相性の悪さが指摘されていました。店舗で実物を見てから、ネットで注文する。当時、ショールーミングと言われた買い物行動です。

しかも、同じ社内でのショールーミングであっても、「ECの売上が上がれば、店舗の売上が下がる」と考えられたことから、店舗とECは自社競争の関係にあると考えられていました。

世の中がそうした風潮の中、ヨドバシカメラでは、いち早くBOPISをスタートさせていました。

この背景には、2つの大きな要因があります。