確約していた記者会見はいつ開かれるのか

しかし、私は、このまま放置して、かつての「一億総懺悔」のようにしてしまえば、日本人が変わる機会を失うと思っています。再度、二つに分かれた会社の記者会見を要求するとともに、まず、事情をもっとも知る元週刊文春の編集長として、公開質問を送りたいと思います。まずはこの基本的問題に会見で答えてから、各自の質問に移れば、NG記者リストなどつくっても無意味になるからです。

以下、私の公開質問です。

1.白波瀬傑元副社長の会見はいつ行うのか?

2.矢田次男弁護士の会見はいつ行うのか?

3.新会社の原資はどこから調達するのか?

4.新会社の名前やグループ名の選定は、ファンクラブにどのように相談するのか?

5.なぜそこまでファンクラブに権限をもたせるのか?

6.ヤング・コミュニケーションの社長には誰が就任するのか?

7.誠実に被害者への補償に向き合う気持ちが本当にあるのか?

8.ジャニー氏の行動が刑事事件に値するという認識はあるのか?

9.メディアへの圧力に対する謝罪の意志はないのか?

10.各メディアは、性加害に手を貸した自社の職員を探しだす気はないのか?

まずは1.記者会見で、東山紀之社長が出席を確約されていた、マスコミイジメ、いや「マスコミ抱き込み」のプロ・白波瀬傑元副社長の会見はいつになるのでしょうか。

そして2.同じく裁判でのジャニーのホモセクハラの言い分(編集部注)を聞いていた顧問弁護士矢田次男氏の出席はないのでしょうか。ジャニーズ内部では、裁判の敗北は、顧問弁護士が下手だったからと言われていたと記者会見で公言されて、矢田弁護士は、黙っているのでしょうか。

3.スマイルカンパニーの100%の株をもつジュリー氏は、すなわち旧ジャニーズ事務所の財産をすべて握っています。その状態で、多数のタレントを抱えている新会社は、いったい何を原資として、稽古場や打ち合わせ場所など新会社に必要な施設を用意するのでしょうか。その原資はどこから調達するのでしょうか。

ジュリー氏は、一切カネを出していないと言っていますが、今のところ、ジュリー氏のもつ会社のものを借りて、原資もジュリー氏から借りるしかないのではないでしょうか。新会社の福田淳CEOは、金融機関からの借り入れで、当面の運転資金はめどがついたとメディアに語っていますが、本当でしょうか?

写真=AFP/時事通信フォト
2023年9月7日の会見で、涙をぬぐうジュリー喜多川氏

4.新会社の名前やジャニーズを冠したグループ名の選定をファンクラブに相談するということですが、これは全員にアンケートでも取ったのでしょうか。それともファンクラブの一部幹部と話し合ったのでしょうか。

(※編集部注)1999年10月から14週にわたって行われた『週刊文春』のジャニーズに対する「ホモセクハラ」追求キャンペーンに対し、ジャニーズ側が同年11月にジャニーズ事務所とジャニー喜多川氏が文春に対して名誉毀損きそんで提訴。裁判でジャニー氏は、少年たちへの性加害に対して「一切ございません」と答えているが、「少年たちがウソをつく理由がありますか?」という弁護側の問いに、「彼らがウソの証言をしたということを、僕は明確には言い難い」と答えた。文春の弁護は、その瞬間に「勝った」と思ったという。