磨き上げは大学卒業後の半年間で
ロイヤル・ダッチ・シェル、ユニリーバ、イケアなど、現在、オランダに本社を置く世界の大企業は多い。シェルとユニリーバは英国とオランダとの合弁だが、なぜ、スウェーデン生まれの国際企業イケアがここに本社を置くのか。ほとんどの人がネイティブレベルの英語を話せるオランダに本社を置けば、イギリスと同様の英語力の人材が集められるからだ。
「他の欧州諸国へのアクセス」という点を考えれば、ドーバー海峡を隔てたイギリスよりも、地続きで「Crossroad of Europe(欧州の交差点)」と呼ばれるオランダに軍配が上がるのは当然だろう。
オランダ生まれの企業でも、Oilily(オイリリー)やG-Starなど、社内の公用語は100%英語というところも増えてきた。Oilily広報担当者は言う。
「オランダの若者たちは大学を卒業後、イギリスやカナダ、アメリカなどで半年ほど暮らします。国内で完璧に学んでも、基本的にはオランダ人の先生や児童・生徒と話すだけ。だから、ネイティブやオランダ以外のなまりで話す人たちとたくさん接する機会を持つために、英語が母語の国に行って実地訓練するのです。そういう国に、世界各国からいろいろな英語を話す人が集まってきますからね。現地で語学学校に入る人もいますが、多くはYMCAやボーイスカウト、その他青年団体などの活動に参加し、よりカジュアルな形で、多くの国々の英語に自然に接します。それにより、どんな英語でもドンと来い、と思えるようになる。こうして国際企業で諸外国の人と働くうえでの『自信』を身につけて帰ってくるのです。まあ、最後の仕上げとでもいうべきものですね」
小さいころから、興味がそそられる方法で無理なく楽しく、かつ科学的理論を土台に英語を学べば、ほぼ全員をネイティブレベルまで高める「オランダ式脳活性化学習法」。日本という国全体でも、そしてわが子という個人単位でも、取り入れるべき点は多い。