誤解その3:油っこいものはたくさん食べられない
年を重ねるにつれて、油の多い和牛カルビなどの油っこいものが食べられなくなってきたという人もいるでしょう。ですが、それは加工されていない食品の話であって、加工食品はその反対です。「砂糖」と「油」が加わるほど食べやすく、食べる量が増えることが科学的に示されています。
焼き芋とさつまいもを油で揚げて、砂糖でまぶした芋けんぴで比較してみましょう。焼き芋は100g分も食べればお腹が満たされる人が多いです。しかし、さつまいもを油で揚げて砂糖をまぶした芋けんぴだと、100g食べても満腹感を感じにくくやめられなくなります。さらに途中でおせんべいなどの塩味を挟めば、際限なく食べられることにも。
同じ量でもカロリーが3倍以上にもなる芋けんぴをたくさん食べてしまうのは、脳が高糖質×高脂質の食品から快感を得ていて、もっと食べるように要求するためです。砂糖と油の組み合わせに、脳がだまされてしまうのです。
アメリカ国立衛生研究所の研究チームが行った、健康な男女10人ずつに「超加工食品(糖分や塩分、脂肪を多く含む加工済みの食品で、添加物を加えて工業的な過程を経て作られる食品)」と「加工を最小にした食品」を2週間ごとに摂取してもらう実験があります。
どちらの食事も含まれるカロリー、炭水化物、タンパク質、食物繊維、脂肪、塩分などは同じですが、被験者は食べる量を自分で決めることができました。すると、超加工食品では1日の摂取カロリーが平均500kcalほど多く、最小加工食品に比べて食べるスピードが速く、体重も増えることが明らかになっています。
味が変わると食べる総量が増えるというデータも数多くあります。甘いものを食べて満足しても、しょっぱいものなら食べることができ、さらに甘いものへとループが途切れないのです。
こうした食品を食べすぎれば、糖と油のダブルパンチで、肝臓に脂肪が増えていくので要注意です。