“ヤング皇族”の進んだ「思想」

その意味で、進取の気性を蛇蝎のごとく嫌うエア親戚たちが以前から文句タラタラだった「学習院ではない、ICUなんかに進学させたから」との見解は正しいのだ。

ハハッ。そう、現代のヤング皇族として苔むした既成概念を蹴り、「華族学校」を前身とする学習院ではなくバイリンガル全人教育を掲げる「国際」「基督教」大学であるICUを選んで進んだ眞子さん・佳子さま。彼女たちの視野は、エア親戚たちがおびえるとおり、エア親戚たち1万人の視野を合わせたって敵わないくらい広がっちゃってるのだ。

日本人の足元にヘドロみたいに粘りつくジェンダーの先入観なんかにとらわれないぞ。「女だから」「女らしくないから」なんてので行動も人生も制限したりしないぞ。しっかりと自分の意見を言うぞ。その微笑みは「女の子だから世間に見せる媚び」じゃなくて、「高貴な身分に生まれたがゆえのマナーの良さ」「一般人が逆立ちしても敵わないほど高学歴で良質な教育を受けてきたがゆえの自信や余裕」だぞ。どうだ怖いだろう。

みんな、皇族は常にその時代の最新バージョンにアップグレードされたハイレベル教育を受けてお育ちになっているということを、過小評価しすぎである。

そうとも、ヤング皇族は進んだ「思想」を身に付けているのだ。

しかもなんなら、愛子さまや悠仁さまなんてイマドキのZ世代だ!

皇室女性のリベラル化は「紀子家」から進んでいる

最近気づいたことがある。そういえば、皇室女性のリベラル化は「雅子家」ではなく「紀子家」から進んでいるのではないのか。

皇室において、最もラディカルな母は、ひょっとして紀子さまなのではないか。

皇室にはほぼ興味はないが、あえて言うなら皇后雅子さまのファンではあると公言してきた私は、長年誤解してきた、と気づいたのだ。ハーバードと東大出身の帰国子女で外交官としての前途洋々たるキャリアを皇室外交に捧げた雅子さまは「進歩的」で「現代的」、学習院大学時代から秋篠宮とお付き合いして順当に皇室にお嫁入りした紀子さまは「保守的」で「古風」な女性に違いない、と。

ところが、彼女たちの「お輿入れ」から既に約30年、子育てと教育の方針を見ていると、そんな安易な色分けなどできないとわかる。

長男の嫁である雅子さまは「皇后」への道に載せられ、彼女自身のあり方やそれまでの人生で信じてきたものを否定され、別の人間になれとの重圧の下、いろいろなものを諦めなければならなかった。真面目で責任感が強くて努力家の雅子さまは、ハイハイと適当に周りを誤魔化すことなどできず、したたかになどなりきれず、自分の心を壊して足を引きずりながら「選択した人生」と歩むことにした。