子育て政策がさらなる子育て政策を生む

私は市長としてまず「市民を支援する」ことで、地域経済を活性化させ、税収増を実現しました。子育て世代の多くは、日々のやりくりに四苦八苦しています。この世代を支援すれば、可処分所得が増えて地域経済の活性化にもつながり、市の税収も増え財源が生まれます。

泉房穂『日本が滅びる前に 明石モデルがひらく国家の未来』(集英社新書)

実際、明石市は2013年度からの8年間で主な税収だけで32億円もアップし、市の基金は市長就任から11年間で51億円積み増しました。子ども施策を最初のきっかけにして、経済や地域の好循環が生まれ、さらなる子育て政策の充実につなげたのです。「少子化対策には増税が必要」という考え方は根本的に間違っています。

消費税などの税率は標準税率(10パーセント)と軽減税率(8パーセント)の複数税率となっています。私はこの軽減税率の適用対象の品目をもっと増やすべきだと考えています。

現状の軽減税率適用対象は「酒類・外食を除く飲食料品」と「定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞」となっています。「国民の知る権利」と言うなら、なぜ新聞だけ対象となり、書籍などの図書類が省かれるのか理解できません。

まずは消費税の見直しを進めるべき

また、飲食料品に関しては、私は消費税をゼロにするべきだとも思っています。生理用品などの生活必需品の消費税もゼロにすべきです。

消費税を全部ゼロにしろとは言いません。ただ、多くの国民が苦しんでいる今の状況を政治の力で改善していくことは絶対に必要です。そのためにまずは消費税の見直しを進めていくことが必要です。

その一方で、外食したときの料金がこれほど安いのは先進国の中でも日本だけです。欧米に行ってハンバーガーを食べたら1人2000円は軽くかかります。日本の外食が安いということは、そこで働く人の給料も安いということに他なりません。日本で働く人たちの労働環境の改善、賃上げも同時に考えていく。国民を豊かにすることこそが、政治の重要な役割のはずです。

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