国民のために働く公務員がどれだけいるか

公務員は国民の税金で雇われているのに、国民のほうを向いて仕事をしている公務員はほんのわずかしかいません。その仕事が本当に国民のためかどうかわからないような仕事が多過ぎるのです。ですから、当の本人たちもどっちを向いて仕事をすればいいのかわかっていないのでしょう。

そういう意味では、中央省庁のみならず地方自治体も、今一度業務を整理し、組織体制や人員も見直していく必要があります。

2023年1月、自民党の甘利明前幹事長は少子化対策の財源として将来的には消費税率の引き上げも検討対象になると述べました。この発言は党内でも反発を招いたようでその後、「引き上げるとなると相当景気に影響する」という理由で改めましたが、腹の内では増税を言い出すタイミングを計っているのかもしれません。

国民負担を増やしても少子化が加速するだけ

日本の国民は、諸外国並みに十分な負担をしています。消費税は10パーセントですが、保険料負担(国民健康保険や介護保険など)は諸外国より重く、国民負担率は47.5パーセントと5割に迫っています。

少子化財源確保のために、社会保険料を増額させる案も出ていましたが、国民負担をこれ以上増やしたら、少子化はますます加速するばかり。国は社会保険料や増税で新たな負担を求めることなく財源を確保すべきです。

「負担増」と書かれたニュースの見出し
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昔は消費税など必要ありませんでしたが、消費税が導入されて以来、3パーセント、5パーセント、8パーセント、そして10パーセントと税率は上がり続けています。昔は介護保険料も必要ありませんでした。それが他の保険料ともども次々と値上げになり、国民の生活は苦しくなる一方です。日本人の平均年収は、この30年間ほとんど上がっていません。収入は変わらず、出ていくお金だけは増えていく。これを「政治の失敗」と言わず、何と言えばいいのでしょう。

失敗の最大の原因は政府が「経済が国民を豊かにする」と勘違いしていることにあります。国民を豊かにするのは「政治の役割」であって「国民が豊かになってこそ、経済もまわる」のです。政府も閣僚も与党も官僚も、その順番を勘違いしています。