復職時のトラブルにつながることがある
また、時に休職者は、復職時はDさんの下で働きたいと言うこともあります(異動希望)。優しいDさんはその言葉を否定はせず受け流します。ところが、否定されなかったため休職者はこれを自分の願いが叶ったと受け取ってしまうこともあります。
このような小さな勘違いが、厄介な問題になってしまうことがあります。
休職者によっては、自分の訴えを上長たちが承認してくれたと思い込み、自分は悪くなく悪いのは誰々だとか、自分はDさんの部署に異動して復職になるに違いないと思い込んでしまうのです。
その結果、休職者は貴重な振り返りの機会を有意義に持てなかったり、復職して自分が元の部署に戻ると知った時に会社とのトラブルになったりしてしまうのです。
もちろん、休職中に自分の部下と他部署の上司が隠れてやり取りをしていたことは、上司のBさんにとっては嬉しいことではありません。休職者が元気になって復職しても、Bさんとの関係性がますます拗れてしまうこともあるのです。
このような事態を避けるためにも、人事や産業医に質問し許可を求めてくる“ビジネス上の”関係性の人には、休職者との連絡を待ってもらうことがほとんどです。
本当に仲が良い人なら産業医の許可を取らずに連絡している
以上、休職者に連絡していいのかについて、それぞれの立場の人に対するNoの理由を説明させていただきました。
基本的に周囲の人たちの優しさから生じている申し出は喜ばしいものなのかもしれません。しかし、連絡をして満足・納得するのは、誰なのかを考えると、その答えは決して休職者ではありません。連絡をすることで、満足感や納得感を得られるのは、まずは、質問者なのです。休職者にとって満足や納得があるものなのか、嬉しいのか、迷惑なのか、落ち込むだけなのかは、誰にもわかりません。
また、そもそも、本当に仲のいい友達(関係)であれば、わざわざ人事や産業医に連絡の許可などを得ずに連絡しているものです。
ですから、産業医に質問があった場合は基本的に、休職者の速やかな回復を願いしばしの辛抱をいつもお願いしているのです。
以上、ご理解いただけますと幸いです。