あまりに酷似する、「尖閣」と「西沙」

「出ていけ!」「おまえこそ立ち去れ!」。中国が領有を主張する島の沖合で、中国漁船と警戒にあたる艦艇が衝突した。

実はこれ、尖閣諸島の話ではない。

南シナ海の北方海域にある西沙諸島は、第一次インドシナ戦争により旧宗主国のフランスを破ったベトナムが領有したが、その後、同諸島の東半分は中国が占領し実効支配された。1974年、中国は西沙諸島全体の領有を目指し、積極的な行動(ベトナム側から見れば侵略。中国側から見れば領土回復)を開始した。中国の進出に対抗するために当時の南ベトナム政府は、艦艇4隻・兵員約200名を派遣したが、中国は漁船2隻を「尖兵」として、同海域で南ベトナム艦艇と衝突を繰り返し、陸上では中国民兵との戦闘も発生。同年1月19日には海上でも両軍が戦闘し、南ベトナムは、砲艦「ヌータオ」が撃沈され西沙諸島の島々は中国により完全に占領された。冒頭の衝突はそのとき起きたものだ。