老後は見栄を張る必要がなくなる

人生を充実させるために使うお金は、無駄な支出や浪費ではありません。ただし、お金を使う前に「自分は何がしたいか」「何がほしいのか」を考え抜くことが必要です。

大江加代『役所や会社は教えてくれない! 定年と年金 3つの年金と退職金を最大限に受け取る方法』(ART NEXT)

そのうえでお金を使う基準は、自分の価値観で決めればいいと思います。他人に「なぜそんなもの買うの?」といわれても、自分が心底ほしければ気にする必要はありません。

むしろ、老後は、「義理、見栄、恥」のためにお金を使うのはNGです。「義理欠く、見栄欠く、恥欠く」の「サンカク」を実践しましょう。リタイア後は、義理でお歳暮やお中元を贈るとか、見栄をはって高級ブランドのスーツにお金をかける必要はありません。

それらをやめても、誰も気にする人はいないでしょう。自分が気にするほど、まわりはあなたのことを気にしていません。

90歳で全財産を使い切っても一生お金に困ることなし

定年まで勤め上げた人であれば、好きなことにお金を使い、やりたいことをやって、90歳ぐらいまでに財産を使い切ってしまっても、なんの心配もありません。日本では、それでもお金に困ることなく暮らすのはむずかしくないのです。なぜなら、生きているかぎり公的年金が支給されるからです。

90歳にもなれば、今よりずっと生活費も減りますから、年金があれば死ぬまで安泰です。

もちろん、施設入居費ぐらいは最後まで手をつけないほうがいいと思います。それで施設に入らずポックリ逝ったときは、遺言書で配偶者や子どもに相続させるなり、希望するところに寄付するなり、お金の行き先を自分で決めておけばいいのです。

「いい人生だった」と思えるよう、リタイア後は大いに人生を謳歌しましょう。

関連記事
【第1回】共働きなら公的年金だけで9286万円…「もらえる年金額」を今すぐ簡単に知ることができる3つの方法
悪魔に魂を売った輩が私たちの資産を狙っている…ホリエモンが「絶対買うな」という商品、「行くな」という場所
「50歳をすぎたら生命保険も医療保険も不要」というお金のプロが「これだけは必要性が高い」と説く保険
新NISAは「やらないデメリット」のほうが大きい…「毎月1万円を20年間積み立て」の結果にあなたは驚く
新NISAが始まっても投資に手を出してはいけない…経済学者が「老後に備えるならコレ」と唯一勧める金融商品