同調圧力の元凶は日本の学校教育にある

もちろん都度、総務部へ違法労働の問題提起はしていた。が、仕事相手との信頼関係が一度構築されてしまうと、たとえサービス残業になろうが「相手が困っているのであれば助けてあげたい欲」が生まれてくる。また、相手を想う自分の姿勢や考え方を含め、ほんの少しだけ「休日でも仕事してる俺ってカッコイイ」といった自負があったことも告白する。

職場の空気感や同調圧力の影響は強力だ。あまり舐めないほうがいい。モンスター社員の私ですら抗うのは困難だった。クビを宣告されたからこそ「窮鼠猫を噛む」が実行できたわけだが、見方を変えると、それまでは違法労働を強いられようが会社に服従する傾向があったわけだ。

この問題の根の根にはおそらく「教育の問題」がある。

春の一斉入学と新入社員。制服はスーツに、先生は上司に、イジメはパワハラに変わり、もちろん遅刻は厳禁。与えられた問題に対して模範解答できる生徒は優秀で、問題そのものに疑問を持つ生徒は誰もいない。もちろん「学校を辞める」という選択肢は基本NOで、まして「学校と戦う」なんて言い出したものなら親御さんはビックリ仰天するだろう。

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「良い子」だった私はなぜモンスター社員になったか

ハッキリ言おう。私たちは過去の学校教育に今も洗脳されている。みんなと同じであることが当たり前といった価値観を、知らず知らずのうちに骨の髄まで刷り込まれている。炎上覚悟で言うと、多くの日本人の思考は停止しているように私は見える。大人になった今も「先生」を求め、周りから「良い子」だと褒められたいと願っている。

なお勘違いしている方も多いので一つ補足すると、私の中学時代の成績はオール5だった。高校は神奈川県の有名進学校。絵に描いたような「良い子」として育った。世間で正しいとされている考え方や生き方はインストール済みで、むしろ忠実に生きてきた自負がある。

そんな私がなぜ、どこからどう見ても「変わり者」の生き方を選択するようになったのか。複数のきっかけがあるが、分かりやすく言えばこの生き方が「日本社会で生き抜く唯一の方法」だと理解したからである。

学校内や会社内では「みんな平等」の思想が採用されがちだが、一歩外に出ると、のび太をイジメるジャイアンのように弱肉強食が幅を利かせている。