年1回しか会わない相手と、残りの人生で過ごす時間はどのくらいか
筆者の2人(ボブとマーク)の場合、毎週電話かビデオ通話で話をしているが、直接会うのは年に合計で2日(48時間)程度だ。
今後数年間の見通しはどうだろうか。現在、ボブは71歳、マークは60歳になる。(かなり)甘めに見積もって、ボブの100歳の誕生日を一緒に祝えるまで2人とも長生きするとしよう。これから29年間、年に2日ということは、私たちが生きている間に一緒に過ごせるのは残り58日間ということになる。
1万585日のうち、たった58日だ。
もちろん、これは2人とも長生きする幸運に恵まれるという前提での計算であり、実際の数字はこれよりも少なくなるだろう。
あなたの大切な人についても、この計算をしてみてほしい。おおまかな概算でもかまわない。あなたが40歳で、その相手とコーヒーを飲みながら週に1回、1時間会っているとすると、80歳になるまでに一緒にいられるのは87日間だ。月に1回なら約20日、年に1回なら約2日になる。
活かしきれていない関係が人生の中に潜んでいる
十分だと思える数字かもしれない。だが、米国人は2018年にテレビ、ラジオ、スマートフォンなどのメディアに1日11時間も費やしていたという驚きの事実と比べてみてほしい。40歳から80歳までの間に、起きている時間の18年分を使っていることになる。18歳から80歳までの間なら、28年分になる。
このシミュレーションの目的は、あなたを驚かせることではない。好きな人や愛する人と実際に過ごしている時間の長さは、見過ごされることが多いという事実を明確に示すのが目的だ。
いくら仲がいい友人でも、四六時中一緒にいる必要はない。実際には、たまにしか会わないからこそ、会うと元気になれるのかもしれない。それに、何ごとにもバランスが肝心だ。たまに会うのがちょうどいい相手というのもいて、その場合はたまに会えば十分なのだ。
しかし、たいていの場合、会えば元気になれるのに、十分に会えていない友人や親戚がいるものだ。あなたは、いちばん大切な人とともに十分な時間を過ごしているだろうか? もっと一緒に過ごせたら、お互いにとってプラスになるような人はいるだろうか?
活かしきれていない関係が私たちの人生の中にすでに存在していて、じっとあなたを待っている。最も大切にすべき人との関係にほんの少し気を配るだけで、気分や生き方に大きな変化が起きる可能性がある。スマートフォンやテレビのほうが魅惑的に見えたり、仕事に追われて手が回らなかったりするせいで、うっかり宝の持ち腐れになっている人間関係があるかもしれない。