上下関係の意識を壊してフラットに

最後にお伝えしたいのは、ファンとの上下関係を作らず、フラットに付き合うことの大切さです。会社では、どうしても年齢や役職に基づく上下関係を意識する機会があります。日本では「席順は○○さんが上座」「挨拶は○○さんが先」など、配慮を求められる職場が多いと思います。しかし、クリエイターエコノミーの世界ではクリエイターとファンはフラットな関係であるのが原則です。

特にヨコのつながりにおいては、誰に対しても同じように接することが基本です。私自身、どの年齢の人と話すときも敬語を使い、「さん付け」で呼ぶように意識しています。もちろん、ファンとの関係はクリエイターとしてのキャラクターに依存する部分が大きいので、あえて上から目線で話すのもアリです。

村上 臣『稼ぎ方2.0 「やりたいこと」×「経済的自立」が両立できる時代』(SBクリエイティブ)

例えば、デーモン閣下がファンに向かって急に敬語を使ったら、かえって違和感が生じるでしょう。ただ、副業クリエイターは少しずつヨコのつながりを広げていくわけですから、上から目線でキャラ作りをしたり、偉そうに話したりするのは得策ではありません。

フラットな話し方以外に意識したいのは、一言でいうと「謙虚さ」です。クリエイターというと「我が道を行く」「自信に満ちあふれていて当たりが強い」というイメージを持つ人もいるかもしれません。しかし、実際に優れたクリエイターには謙虚な人が多い傾向があります。なぜなら、ファンの声を聞いて、アジャイル的に変化を加えていくにあたっては、親しみやすさや話を聞き入れてくれそうな雰囲気を持つ必要があるからです。

謙虚なクリエイターは、苦言を呈されたときにも、ヒートアップして反論するのではなく、貴重な意見を受け止めて改善へとつなげています。逆に、うまくいったときも天狗にならずに、ファンの声を大事にして自分を高める努力を続けます。

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