過去の判例では賠償額個人で1500万円の例も

図:「退職前からの計画的な引き抜き」はアウト! と覚悟すべし
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図:「退職前からの計画的な引き抜き」はアウト! と覚悟すべし

独立・起業時に十分な資金やノウハウ、人脈を備えている人はめったにいない。そのため、当面の戦力として、上司や部下を新会社に引き抜くこともあるだろう。基本的には、憲法22条「職業選択の自由」が万人に認められているので、「転職の自由」も保障されている。とはいえ、やり方によってはトラブルに発展することもあるので注意したい。

具体的には、人材を引き抜かれた会社側は損害賠償請求や事業の差し止め請求を起こしてくることがある。会社側の主張が認められれば、数百万円から1000万円単位の賠償金を支払わなければならない。

では、どんなケースがアウトなのか。その行為が退職前か退職後かで大きく異なる。在職中は取締役であれ、従業員であれ、原則として引き抜きは違法となる。前者には、会社のために忠実に職務を遂行する「忠実義務」(会社法355条)が、後者には、使用者の正当な利益を不当に侵害しないよう配慮する「誠実義務」(雇用契約)、使用者と競業する業務につかないようにする「競業避止義務」(同)があるからだ。

(構成=岡村繁雄)