天下のTENGAに戦わずして勝つ方法

まだその領域で、定番ブランドが存在していないというのも、領域選定においては重要です。

定番ブランドがあると、コンセプトの良さは関係なく、顧客が何も考えずにそのブランドを購入するからです。

オナホというと「TENGA」をイメージする人が多いでしょう。

「TENGA」のブランディング力は強く、オナホブランドとしての知名度が強そうですよね。

しかしTENGAのメイン商品は「使い捨てオナホ」です。

「1回使ったら、そのまま蓋を閉めて捨てられる」という手軽さが反響を呼び、「ちょっとオナホに興味がある」というオナニーライトユーザーや、「手軽な面白いプレゼント」として男子高校生に人気があります。

それに対して、オナホ市場全体では実は「使い捨てオナホ」よりも「洗って何度も繰り返し使うオナホ」のシェアのほうが断然多いことがわかりました。

オナホヘビーユーザーにとっては、使い捨てオナホのTENGAはコスパが悪く、「洗って何度も繰り返し使うオナホ」を選ぶのです。

「洗って何度も繰り返し使うオナホ」をいくつかストックして、その日の気分によって使い分けるのが彼らの定番の使い方です。

そして、「使い捨てオナホといえば“TENGA”」と言われるほどTENGAの知名度は高いものの、「洗って何度も繰り返し使うオナホといえばこれ」と言われるほどの定番ブランドはまだ存在していないことがわかりました。

神山理子『女子大生、オナホを売る。』(実業之日本社)

私が得意なWebマーケティングを武器とする既存メーカーがなく、コンプライアンス的に参入できる企業も少ない。

製造難易度が比較的低く、まだ定番ブランドが参入していないという点で、オナホ市場は私にとって参入しやすい領域だったのです。

私はエロが苦手だったし、性別的にオナホユーザーにもなり得ないため、「人よりもめちゃくちゃ好き」という強みの部分は論外でしたが、他の部分で十分なチャンスがあると考えました。

領域選定は全ての要件を満たしている必要はなく、あくまで目安として考えていけばいいでしょう。

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