模試の点数が悪くても、まったく問題ない
この後、実際にアウトプットの方法を具体的に紹介していきますが、その前に前提としてお伝えしておきたいのは、「結果」はさほど重要ではないということです。
例えば模試で「点数が低かった」「答えが間違っていた」などは、その場では悔しい、恥ずかしいかもしれませんが、受験の目標は本番で正しくアウトプットできることです。
受験勉強に必要なのは「なぜ点数が低かったのか」「なぜ答えが間違っていたのか」など、アウトプットに至るプロセスを見ることです。むしろ、こういった振り返りの材料を作り出すことこそがアウトプットの本来の目的ともいえます。
そのため、アウトプットしているときは、悩み過ぎず、わからないならわからないと問題を飛ばし、現在の自分の状況が正しく書き起こせるように心がけましょう。受験生は解いている問題を、「倒したら終わりのモンスター」のようにとらえがちです。
しかし、実際はそうではありません。むしろ、今の自分の状態を知る、病院の問診票のようなものです。ただの“ツール”です。わざわざ病院へ健康診断に行って、「自分は健康です」とアピールして嘘の問診票を書く人はいません。それを無理して「デキるアピール」するのは、健康診断前だけ痩せようとする人と同じです。答えが合っていても合っていなくても、それが今の状態。重要なのは、出てきた結果をもとに正しく次の戦略を練っていくことです。
「同じ問題を何度も解く」はやってはいけない
アウトプットの基本的かつ最も重要な方法は、当然ですが、問題を解くことです。
僕が受験生だった時には、特に「とにかく初見の問題をひたすら解く」ということを重視していました。何周もしている問題集は、ページ数や、過去の自分の書き込みから、解き方や答えを思い出してしまう場合があるためです。
「どの手段を使えば問題を解けるか」と考えることは、これまでインプットした知識をかき集めアウトプットするということです。
「これは、もしかしたらあの問題と同じ手法で解けるのではないか? いや、違うな……そもそもあの問題の解き方はこうでよかったか……?」
となれば、「あの問題の手法」について自分が実は理解していなかったことに気がつけます。あとは「あの問題の手法」を再度インプットし直す作業に戻って、また問題を解いて、を繰り返せばいいのです。
インプットばかりして、アウトプットをせず「俺、数学は大丈夫」などと、わかった気になっている状態が、受験にとっては一番危険です。初見の問題をたくさん解き、自分のなかに、使える知識がしっかり蓄積されているか、確認作業を行う必要があります。