思考プロセスを「フィードバックノート」にまとめる

ここからは具体的に、僕が初見の問題をどのように解いてアウトプットしてきたかを紹介します。僕は、数学の場合、東大の過去問を実際の試験時間150分を測りながら解いていました。できるだけ本番に近いかたちで解き、1回1回の答案用紙、計算用紙は必ずすべてとっておきました。

マークシートの上の鉛筆や時計
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それをもとにあとで「フィードバックノート」というものを作っていました。これがとても重要です。この数学「フィードバックノート」は、解いた過去問一問一問、解説と照らし合わせて、どのように解いたのか、解けなかったのか、解答用紙のサイズと同じB4サイズの紙に書き込み、そのときの問題・答案・計算用紙と一緒にクリアファイルに綴じていました。

6問分をやりきったら、その総評も自分でつけます。

「この問題から解き始めたけど、ここで時間を食われたから、先に解きやすそうなこっちの問題をやっておいた方がよかった」
「ここで満点取れてるけど、これは最悪できなくてもいいから、こっちの問題の方が本当はできないとおかしい」

などです。

自分の弱点は「ただの計算ミス」にこそある

また、計算間違いで不正解となっていた場合でも「ああ、計算ミスか」とただ思うだけではありません。どの部分のどの計算で間違ったのかまで把握して記入しておくようにしていました。「この積分の式をいちいち計算してミスしていたけど、よく見たら簡単な式にできたな。簡単な式だったらミスしなかったってことだな。あえて自分で式を難しくして失敗していた」など、普段は気づかない発見が計算ミスの裏には実はかなり潜んでいます。

逆に「本当はひとつずつ計算しないといけないのに、楽しようとして省略して間違えていた」ということもあります。とにかくミスはできるだけ細かく特定して記録していくべきです。

さらにこのフィードバックノートにまとまったものを後で振り返ると、問題の解き方のコツと本番で使える実践的な戦略が詰まったものになっています。特に受験直前の時期は、問題を無理に解かず、このフィードバックノートを見て自分の弱点を効率的に把握することが大切です。

150分で解いて、60分解答を見ながら振り返って、このノートをつけるまでが僕にとっての「過去問をやる」のワンセットのイメージです。