ヒント4 親の間違いを探してもらおう

→大人の正しい声かけ例「お母さん、どこを間違えてると思う?」

小説が大好きで多くの本を読んでいる子が読解力が高いかというとそんなことはありません。自分の世界に入って都合よく解釈している場合もあります。読書を趣味として楽しんでいるのかもしれませんが、読解力を身につけるには効果的とは言えません。

物語を正確に読み取るには、登場人物の行動や気持ちを、書かれている情報から類推しなくてはなりません。

子「負けちゃったところで泣いたよね」
親「だよね。誰が負けちゃったんだっけ? 忘れちゃったよ」
子「主人公だよ」

などと、親子の会話で理解を促すのがよいでしょう。多く読むことよりも、意識して読むことが大切です。

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また、国語が苦手だからとドリルをただたくさん解かせることも、おすすめできません。場合によっては、「自分は国語ができない」と繰り返し刷り込んでしまうだけになります。

会話を工夫することで、間違いを意識させることができます。私たちの教室でやっているのは、架空のタカシくんに活躍してもらう方法です。

タカシくんが間違えたときの解答を見せて、「どこを間違えてると思う?」と聞いてみるのです。

子供は、自分の間違いを振り返るのは大嫌いですが、他人の間違いを探すのはパズル感覚で前向きに楽しめます。

「問題文のここに丸をつけるといいよ」「最初の『なぜなら』に引っ張られて、理由が書いてあるところを間違えてるんじゃない?」などと、するどいことを言ってくるものです。

親が一緒に問題を解いて、わからないときに子供に教えてもらう、というのもいいでしょう。喜んで親の間違いを探してくれるはずです。子供が的外れなことを言ってきたとしても、上から目線で誤りを正すのではなく、「そうかもね。でも、この文の主語はほかの子っていう可能性もある?」などと、違う読み方を提案するような会話がいいでしょう。

そうして、間違いに意識的になっていくことで、子供の読解力が鍛えられていくのです。