第三段階「離」:先回りして、考え、動く

いろいろと工夫して作業できるようになったら、その先を目指しましょう。すなわち、その作業がクライアントのプロジェクト内で持つ意味を考えることです。プロジェクトとしての成果につなげるには、どうしたら良いかを考える。そうすると、与えられた作業自体の意味の捉え方も変わりますし、作業後の動き方も変わります。

例えば、ある業界での、マーケットシェアを調べる作業を与えられたとします。特定の年度の売上データを調べて、グラフを作成しただけでは、文字通り「言われたまま」の作業をしたに過ぎません。

もしプロジェクトの目的が、マーケットシェアが低いことに対して、戦略立案しようとしているのなら、データを時系列で見れば、何か傾向があるかもしれません。あるいは、シェア=割合ではなく、販売総数でみると、販売量は増えているけど、シェアは低下していることが判明することも。データの裏側にある変化の理由も考えましょう。過去のニュースが変化の理由を示唆してくれるかもしれません。戦略的かつ選択的な情報収集ができるとベストです。

プロジェクトの真の目的や、クライアントが解決したい課題に照らして考えられれば、何をすべきか自ずと判ってくるものです。ですが、最初はなかなかそういう広い視野から考えることは難しい。だからこそ、「守」→「破」→「離」の過程でのキャリアアップが必要なのです。

念のため、言っておきますと、的外れな「離」を行うと、迷惑でしかありません。クライアントのためになっていない。そんなものにプロとしてフィーをもらうことはできません。そうならないためには、上司である先輩コンサルタントに適宜、報告することです。こういうことをしますよ、と。