人間だと感情や気の迷いでミスしてしまう

投資における判断ミスの原因の多くは、人の感情によるものと言われているようです。利益確定のタイミングの判断ミスは、この欲張り感情の結果ですから(笑)。

「ここまで株価が上がっているからもっと上がるはずだ」とか「これ以上下がらないから今買わなくては」とか、私が度々悩んでしまいがちな、こんな人間らしい感情がAIにはありません。ちょっとした気の迷いから、大きな利益を逃したり、損失を出したりすることもありません。AIに気の迷いなんてありませんから。

人間の感情は生きていく上でとても大切ですが、こと投資に関してはいらないのかもしれませんね。

AI投資は、膨大なデータを分析した結果から導き出されたアルゴリズムに沿って、感情や気の迷いは一切なく、淡々と売買を判断し、資産運用していきます。このほったらかしでおまかせが、AI投資の基本姿勢です。

写真=iStock.com/ArtistGNDphotography
※写真はイメージです

おまかせがデメリットになるケースも

ここまで書くと、AI投資はいいことずくめのように感じますが、100%完全な投資というわけではありません。というのもAI投資が運用成績のトップを独占してはいないからです。利益幅で他の投資に負けている部分もあります。損をしていることはとても少ないようですが、利益が他の投資に比べて低い場合があるということです。それでも銀行の利息とは比べ物にはなりません。

AI投資は、インデックスファンドのようにベンチマーク(トピックスや日経225などの指標)に連動するのではなく、データに沿って利益を追求するものです。インデックスファンドは全体相場が下がっていても、そこから大きく外れていない限りは、投資はうまくいっているとみなされます。

AI投資は投資元本に対して利益を追求していくので、判断により売りと買いを繰り返して利益をあげようと試みます。相場が下落傾向のときは細かく売り買いをしてくれるので、成績は上がります。

逆に相場が上昇傾向にあるときは、相場に連動するインデックスファンドよりも収益が伸びない場合があるようです。でも、利幅が少なくなるだけで、損をしているわけではありません。この投資スタイルを「絶対利益追求型」と呼び、AI投資にはこのスタイルが多いようです。