書籍を読む以外の機能もたくさん用意されているという。安田さんは、キンドルをテーマにしたツイッターでそれらを学ぶことも多い。

「例えば英語表現を磨くためのツールとしても役立つことを知りました。米国のチームやクライアントと話す内容は高度で専門的な内容が多くなります。専門書でどのような表現を使って説明しているのかを確かめたいときは検索機能で調べます。また、読書中に英英辞典で調べた単語を貯めておくクリップ機能があるので、必要なときに、それらを再度抽出して復習することもできる」

電子機器は電池がなくなればただの箱だ。いざというときに専門書が読めなければ仕事に差し障る。しかし安田さんのようなハードな使い方でも「2、3日は大丈夫そう」。

以前は、仕事で使う専門書を中心に、いつも洋書を大量に持ち歩いていたが、09年末にキンドルを導入後、20冊以上廃棄したという。

電池が長持ちするのは、文字の表示装置がバックライトで照らす液晶ではなく、外光を反射させて表示する電子ペーパーのためだろう。その代わりモノクロ表示しかできないが、「専門書を読む用途ではカラー表示は必要ありません。それよりも電子ペーパーの、目が疲れにくいというメリットのほうが私には重要です」。

もう、「キンドル以前」の生活には戻れないという安田さんだが、これまで買っていたすべての本をキンドルに置き換えるつもりはない。

「好きな作家の作品は本として書棚に並べておきたいんです」

キンドルのおかげで、専門書だけでもダンボール箱1箱半処分でき、書棚に好きな本を並べるスペースをつくることができた。