2車線道路には必ず信号機を設置すべき
そうなると2車線道路の横断歩道で、自車が停車して歩行者が横断を始めた時は、後方の様子にも気を配る。状況に応じて、後方から接近する車両に、歩行者が横断中であることを知らせねばならないからだ。
そして今のような取り締まりを行うなら、少なくとも2車線道路で信号機のない危険な横断歩道は廃止すべきだ。信号機を必ず設置して、事故防止を積極的に行わねばならない。
1車線道路の横断歩道は、歩行者がいたら必ず停車するが、この時も自車の車線だけが渋滞している時は注意が必要だ。歩行者が左側から横断を開始した時、対向車線のドライバーからは、歩行者が手前に並ぶ渋滞車両の陰に隠れて見えない場合がある。対向車線のドライバーが横断歩道を見落とすと(特に雨天時は路面に描かれた横断歩道の表示が分かりにくい)、交通事故が発生する危険が高まる。
この時に横断歩道の直前で停車している車両が右ハンドル車であれば、ドライバーからは目の前を渡る横断歩道上の歩行者と、対向車の両方が見える。両者が衝突する危険が生じたら、歩行者か対向車のどちらかを止める必要が生じる。
取り締まりのために危険を見過ごしてはいけない
以上のように信号機のない横断歩道は、ドライバーのミスを誘発させ、交通事故を発生させる危険をはらむ。それなのに警察は、物陰に隠れて横断歩道の取り締まりを行う。警察官が物陰に隠れて見ている前で、交通事故が発生したらどうするのか。本来なら防げた事故を見過ごしたことになってしまう。
警察官を横断歩道に配置するなら、物陰に隠れて取り締まりをするのではなく、横断歩道の脇に立って歩行者が安全に横断できるようサポートすべきだ。あるいはドライバーに対して注意喚起を行う。取り締まりも交通事故を防ぐ手段のひとつではあるが、歩行者のサポートや交通整理は、それ以上に有効で事故を直接防げるからだ。
高速道路における速度超過違反の取り締まりも同様だ。覆面パトカーの取り締まりは、速度超過違反を敢えて見過ごして、その上で検挙するものだ。白黒のパトカーで赤色灯を点灯して走らせ、高速道路全体の走行速度を整えたほうが、事故防止に役立つ。
横断歩道から高速道路まで、取り締まりのために、危険を見過ごしてはならない。信号機のない横断歩道の放置も、危険を見過ごしていることになる。