無色透明の食用油はなるべく避ける

「実は油にも問題があって、市販の無色透明な食用油は抗酸化力が低く酸化しやすいので、すぐにダメになります。本来、搾りたての油は不純物が混ざって色もついています。この中に大事な抗酸化物質が含まれていて酸化しにくくなっているのですが、これを取り除いて無色透明にしたのが市販の精製食用油なのです。油が酸化してできる過酸化脂質は、がん化を促進することがわかっています(※編集部注=日本がん予防学会2021年3月29日掲載)。

実は、いつまでも酸化しない菜種油もあるんです。焙煎して作った油ですが、焙煎するときに強力な抗酸化物質ができるのです。『キャノロール』と私が命名した物質ですが、ピロリ菌に感染して、胃炎から胃がんになるのも抑えてくれるし、潰瘍性大腸炎や大腸がんになるのも抑えてくれます。

この焙煎菜種油は黄金色をしています。どこでも売っているわけではありませんので手に入れるのがむずかしければ、できるだけ無色透明の油は避け、エキストラバージンオリーブオイルのように自然の色に近い油を使いましょう。抗酸化力のほとんどない無色透明の油で生野菜のサラダを食べていたら、大腸がんになる可能性も考えられます」

野菜スープでお通じが改善し痩身効果も

——実際に野菜スープを飲んだ人からは、どんな反応がありましたか。

「いちばん多いのが、お通じがよくなった、お腹の具合がよくなったという声ですね。潰瘍性大腸炎という慢性の病気は、大腸がんに至ることもあるのですが、腸内フローラ(腸内細菌叢)を変えるとよくなることが多いのです。極端な例は糞便の移植です。糞便というのは人工的につくれません。だから健康な人の糞便を、病気の人の糞便と入れ替えるんです。腸内細菌を正常に戻すというのはそれほど大事なことなのです。腸内環境の改善には、野菜スープは非常に効果的だと言えますね。

野菜スープを飲むと、食べるご飯の量が少なくなるので、体重が減ったという女性も少なくありません。急激にやせるわけではないので、体への負担も少ないと思います」