1日3400キロカロリーでは足りずコンビニが大活躍

掃除が終わると、朝食。2000人の学生が一斉に入ることのできる食堂があり、そこで自分で米食やパン食を選択して棚に並んだ食事を取って食べる。エネルギー補給の関係か、ラグビー部員やアメフト部員には米食のほうが人気は高いようだ。概して上級生たちは米食を好むので、準備に追われてあとで急いで食べなければならない1学年は残ったパン食になりがちだそうだ。

昼と夜も基本的に同じだが、2カ月に1度の産土祭さんどさいと呼ばれる、その前後の2カ月に生まれた学生たちの誕生会(以前は第3土曜日にやっていたので産土(うぶすな=さんど)祭と呼ぶ)と、日本と留学生各国の建国記念日や独立記念日の祝賀会などがある。その際には、学生全員と関係教職員がみんなで昼食をとって祝うことになっている(写真)。全学生を前にした各国留学生たちのスピーチは、その流暢な日本語だけでなく、祖国愛と防大愛に満ち溢れていて、感動的なものが多い。「母国は×××、母校は防大」等々。

食事風景(写真=『防衛大学校 知られざる学び舎の実像』より)

ちなみに、防大生の一日の食事は約3400キロカロリーが目安。一般人には相当にヘビーなカロリーだが、学生たちには足りないようで、校内にあるコンビニにほとんどの学生がお世話になっている。そのおかげで、防大内のコンビニの売り上げはエリアナンバーワンだとの噂。特に、母の日の売り上げは全国一だったとの噂もあるが、本当だとすれば何とも美しい話だ。

学生たちにとって食事は最も楽しい時間の一つなので、給食担当の職員の責任は重大だ。しかも、3食合わせて一日の糧食費は一人当たり1000円にも満たない。将来のこの国を守り抜く若者たちに、もう少し良いものを食べさせてあげられないだろうか。財務省さん、よろしくお願いします。

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