小2の長男が「不登校宣言」したときに、かけた言葉

そしておそらく次に来るであろう子どもの疑問は「じゃあ、どうしたらそんな人になれるの?」ではないでしょうか。

そこで私が数カ月前、小学2年生の長男に言ったのは「たくさん勉強することだよ」でした。

私の長男は発達障害(自閉症スペクトラム)ということもあり、集団生活が苦手です。

それで今年2年生に上がってすぐ、「学校楽しくない! 学童楽しくない! もう行きたくない!」といきなりの不登校宣言(普段は支援級ですが、普通級にも合流していますし、1学年300人近くいるマンモス校ゆえに学童も人でいっぱいなのです)。

そこで、こう話しました。

「学童はやめていいよ。ほかの民間学童を探してみよう。でも学校の勉強は大事。たくさん勉強すれば、お金持ちになれるよ。お金持ちになれば、ニンテンドースイッチもたくさんできるよ。動画もたくさん観られるよ。でも勉強しなかったら、お金持ちになれないから、ニンテンドースイッチもできないよ。だから学校は行こうね」

長男はニンテンドースイッチが大好きなので、これをエサにしたのです。

写真=iStock.com/xavierarnau
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すると長男は純粋だからなのか「うん、僕、お金持ちになる。お金持ちになってニンテンドースイッチいっぱい買う。だから勉強する」と言って以来、一度も学校に行きたくないとか勉強したくないとは言わず、毎日黙々と学校へ行き、学童の代わりに選んだ個別学習塾へも淡々と通っています。夏休みの現在は毎日夏期講習ですが、文句の一つも言わず「行ってきます!」と塾へ行っています。

ゲームをエサにしてもいいのか

重要なのは、この回答がいいとか悪いとかではなく、私の長男の年齢や個性、自閉症の特性、理解力を考えたとき、こういう表現でもやる気になってくれたなら彼には合っていたのだろう、ということです。

たとえば小遣いをエサにするとやる気が出る子もいれば、逆に報酬がないと勉強しなくなるという子もいるでしょう。何ごともその子への適性があると思います。

お金持ちになるかどうかはともかく、学校の勉強、特に基礎学力が重要なのは以前の記事(「受験勉強のやり方が全然違う」高学歴なのに稼げない人、稼げる人を分ける“ある能力”)でも書いた通りです。ゆえに私は折に触れてたとえば、

「ニンテンドースイッチを作ったのは、学校でたくさん勉強した人たちなんだ。ゲームのプログラムとか音楽とか、多くの部品をこんな小さな端末に実装する技術とか、これができるのは学校で一生懸命勉強したからなんだ。でも勉強しなかったら、ニンテンドースイッチは作れないんだよ」

みたいな話をしています。

冒頭で「正解はない」と書きましたが、読者の皆さまも、もし子どもから同じような質問を受けたとき、自分ならどう答えるか考えてみてはいかがでしょうか。