「仕事が楽しくない」と思う人を刺激した企業広告

BEFORE「今日の仕事は、楽しみですか。今日の仕事は、楽しみですか。今日の仕g……」
AFTER「今日は職場に着いただけで満点」

広告にとって、スルーされるのは致命的なことです。

どれだけ制作予算をかけて、有名なタレントを起用し、メディアに大量出稿しても、広告を見てほしいユーザーに無視されては大失敗です。

この令和の時代に、SNSでさしたる反応もなければ、広告の効き目を疑うのが広告制作者の自然な振る舞いだと思います。かといって、クリック数を求めコンプレックス広告を大量に制作する感覚に対して、私はATフィールド全開です。

その前提で、2021年の品川駅で「今日の仕事は、楽しみですか。」というキャッチコピーを使った企業広告について考えます。

そもそも、「仕事を楽しい」と思っている方なら何の反発もしないでしょうが、そうでない人にとっては刺激が強いキャッチコピーだったことは事実でしょう。

写真=iStock.com/ooyoo
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「普通に生きているだけで十分価値がある」

ただ、広告全体を読み込めば、「楽しめる環境をつくり、楽しめる仕事を生み出す。」とあるように、単に挑発したいのではなく、新規事業を生み出すサポートをしたいという、前向きな想いが込められていることも分かります。

しかしBEFOREのように、「今日の仕事は楽しみですか」というキャッチコピーを電子看板で何枚も出せば、コンプレックスを刺激されていると感じる人もいます。

多くの議論が生まれたことで、このようなメッセージの取り扱いには、細心の注意が必要だと明らかになりました。

一方で、AFTERのように「今日は職場に着けただけで満点!」という呼びかけをしてみてはどうでしょう。このフレーズは、「肯定してくれる」+「ペンギン」をかけあわせた「コウペンちゃん」というキャラクターのセリフです。

ほかにも「ごはんたべたの? えらい‼」「挨拶してえらい!」「寝て起きたの? えらい!」など、コウペンちゃんは現代社会を生きる私たちをエンパワーメントしてくれます。

コウペンちゃんがすごいのは、「私たちは普通に生きているだけで十分価値がある」と気づかせてくれるところです。イラストも可愛いので、ぜひ検索してみてください。