CASE3

仕事のストレスを夫にぶつけた挙げ句、浮気をされた妻

「もう一度やり直せたら、と願わない日はありません」と離婚を後悔するA美さん(47歳)は、31歳で同じ年の夫と結婚し、6年前に離婚。中学生の子供と暮らしている。

「最終的な離婚の理由は、夫の浮気。でも、それまでに自宅に帰りたくない雰囲気をつくったのは私にも責任があると思っています」

共働きで、すれ違いも多かったという二人の結婚生活では毎日のように夫婦げんかが勃発していたという。

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「毎日キリキリしていた私は毎日、本当にささいなことで夫にけんかをふっかけていました。トイレットペーパーの買い置きを忘れたとか、靴下を裏返しのまま洗濯機に入れたとか。今なら『ストレスがたまっているから不機嫌になる。だったら自分でストレスを解消する方法を考えよう』と問題解決できるのに、当時の私にはそれができませんでした」

夫の浮気に気づいたのは、A美さんが管理職に昇進してしばらくした頃だった。

「その頃、夫はお酒を飲んで帰ってくることが多くなりました。ある晩、リビングで寝落ちしていた夫の横を偶然通った時、近くに落ちていた携帯電話の画面に『今晩も楽しかったね。いつもごちそうさま。今年の夏も旅行に行こうね』とハートマークのついたラインのメッセージが表示されたのを見て、初めて夫が以前から浮気をしていることに気がつきました」

翌朝、夫を問い詰めたところ、浮気をアッサリと認めた。そのうえで、こう言って頭を下げたそうだ。

「いつもニコニコしているアイツといると、くつろげるんだ。この際だからいうけれど、いつもオレに対して怒っているA美とはもう無理だと思う。ごめんな」

これに対して、A美さんは……

「当時は私も今より収入があったし年齢も若かったことで強気にもなれました。だから、『私ひとりでも子育てくらいできるわ。別れましょう』と自分から離婚を言い渡しました」

現在、離婚して6年という年月がたつものの、A美さんに新しい恋人はできていない。

「先日、私と似た性格をしている仕事仲間で既婚者の女友達の家に遊びに行ったら、口うるさいタイプの旦那さんにもかかわらず、上手にあしらっているというか、おおらかに対応している姿を目の当たりにして軽くショックを受けました。『夫に文句を言い返したり不機嫌な顔を見せたりしても、私に得なことは何もないでしょう?』と夫の前で笑っている彼女が円満な夫婦関係を続けているのを見て、『愛される妻』でいるための努力を知った。離婚する前に私にはすべきことがあったのだ、とも」