CASE1

草食系の夫から肉食系の浮気相手に乗り換えた妻

「私はしたいのに、夫はしたがらなかった」とセックスレスが離婚の理由だと語るK子さん(36歳)は1年前に6歳年上の夫と9年間の結婚生活に終わりを告げ、離婚を決めた。夫に対してはそれまでも、家事に参加しようとしない、休みの日はゴロゴロしているだけ、K子さんの両親と積極的に関わろうとしない、など日常的な夫への不満を抱えていたK子さんだったが、離婚の決定打となったのはセックスに関する価値観の違いが明らかになったことだった。

「離婚する3年前あたりから、私のほうから誘ったのに断られる、というパターンが4~5回続きました。思い切って夫に理由を尋ねたところ『申し訳ないが、もう女性として見ることができなくなった』と、当時まだ40手前だった夫に言われたんです。子供をつくらないことは結婚する時から夫婦で決めていたものの、だからといってセックスレスの関係になることには納得がいきませんでした」

その後もあきらめなかったK子さんは、親しい友人に相談したり、ネットで調べたりして、セックスレスの関係を解消しようといろいろな作戦を試みたという。

男女の頭部のシルエット
写真=iStock.com/KrizzDaPaul
※写真はイメージです

「新しく買ったセクシーな下着を身に着け、官能的なアロマの香りで満たした寝室で夫が来るのを待っていた晩、ドアを開けて雰囲気を察知したのか『犬の散歩を忘れてた』と出て行ってしまいました。夫の帰りを待ちくたびれて眠ってしまった私が朝になってリビングに行くと、パジャマにも着替えないままソファで寝ている夫がいました」

それでもK子さんは「女磨き」を続けていたところ、思いがけないところで努力が報われる形になったのだった。

「夫を振り向かせるためにヘアスタイルやメイク、ファッションや言動を女性らしくしようと奮闘したにもかかわらず、相変わらず夫は私の性欲に見てみないフリを続けていた。ところが、パート先の同僚の年下の独身男性から『最近、急にキレイになったけれど何かあったんですか?』と声がかかり、誘われるままに浮気をしてしまいました」

「若い男性から数年ぶりに女性として扱われ、よろこびを感じた」というK子さんは浮気相手にすっかりのめり込み、夜も家を空ける頻度が高くなった結果、夫に浮気がバレてしまったのだった。

「『セックスレスだから愛情がないとは限らない。性欲だけのつながりが欲しいなら別れよう』と離婚を切り出された」というK子さんは、「売り言葉に買い言葉で、『私はまだ30代なのに、このまま一生セックスをしない人生なんてまっぴらよ』とその場で離婚に応じてしまいました」。

離婚後、浮気相手と本格的に付き合いはじめたものの、二人はお互いに趣味や会話がまったくかみ合わないことに気づいたという。

「セックスレスの夫婦関係は望んでいなかったが、セックスだけの関係でもうまくいかないことも今回のことで身に染みてわかりました。今となっては、なぜあの時、離婚以外の方法でもう一度やり直そうとしなかったのだろう、と深く後悔しています」。