リベラルな政治家はロシアで忌避されやすいが…

プーチンは、ロシア国民が強権的であっても強いリーダーを求めていること、何より秩序を求めていることを知っていた。その期待にわかりやすく応えてみせるには、目に見える「敵」も永続的に存在しなければならない。

豊島晋作『ウクライナ戦争は世界をどう変えたか 「独裁者の論理」と試される「日本の論理」』(KADOKAWA)

もっとも、これはプーチンに限らず、他の独裁国家でも、あるいは民主国家でもしばしば政治指導者が用いる手法である。ウクライナ戦争に反対し、プーチン体制の抑圧と腐敗を批判し続けるロシアの政治活動家にアレクセイ・ナワリヌイがいる。ナワリヌイはプーチン政権によって投獄されているが、多くの人々の支持を集めることはできていない。その理由は特にソ連崩壊時の混乱期を知る高齢の有権者にとって、リベラルな政治家と秩序は決して引き換えにできないからだ。

しかし、今のプーチンの秩序はいつまで持つのか。かつての無秩序を良い意味で知らない若い世代は疑問と反発を抱いている。秩序はあるが、これは決して正義ではないと気づいている。その若い世代が台頭し、今のプーチンの秩序が限界に達したとき、正義が秩序を変える、つまりロシアを変えるのかもしれない。

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