女子大生中心の広報組織を立ち上げた理由

その反省から、2022年は、女子学生中心の「学生広報アンバサダー」という組織を立ち上げました。つまり今度は、若者自身の手に情報発信を委ねることにしたのです。

写真=iStock.com/kokouu
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私が何を言いたいかというと、Z世代の若者をターゲットにSNS広告・SNS広報を継続的に成功させるなら、若者自身に任せるのに越したことはない、最も効果的だということです。前述の通り、複数のSNSをそれぞれ毎日1時間以上見ている彼らの経験値に、付け焼き刃のおじさんたちがかなうはずがありません。

マーケッターである私自身、それは日々痛感していることです。Z世代の若者と情報交換し、若者研究を進めているものの、「彼ら彼女らの意見のほうが正しい」と、思うことばかりです。

もちろん、「炎上」騒ぎを防ぐためにも、大人の目によるチェックは必要だと思います。また、若者をSNSのいちユーザーから広告・広報の作り手へ育てるには勉強も欠かせません。私がこれからお手伝いをするのも、その部分だと思っています。

「意見は聞くだけ」では失敗する

確かに、「今なにがバズっているか」をキャッチする早さでは、学生広報アンバサダーのほうがはるかに上。しかし、企業広報をする上でのイロハや、バズの背景に潜んでいるインサイト(=最近の若者がぐっとくるツボ)を教えたり、バズった広告や広報の事例をもとに皆で研究したりと、まわりの大人たちがサポートするべき部分もたくさんあります。

原田曜平『Z世代に学ぶ超バズテク図鑑』(PHP研究所)

企業においても、このような体制が望ましいと思います。大切なのは、SNSの運用はSNSが得意な若者に任せること。まわりの大人たちの役回りは、若者がSNS担当者としてスキルアップするのを見守り、応援すること。インスタグラムやTikTokの“おじさんモデル”を頼まれたら、快く応じましょう。逆に一番よくないのは、「若者から意見を聞くだけ聞いて、実際に情報発信するのはおじさんたち」というパターンです。

なお、芝浦工大の「学生広報アンバサダー」による情報発信は、2022年8月頃からスタートします。若者自身によるSNS広告・SNS広報の例として、チェックしてみてください。

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