20代社会人女性をつかんでいるのはインスタグラム
次に、女性人気の高いインスタグラムに注目してみましょう。
インスタグラムの利用率は、ミドルが29.8%です。これにたいし、高校生女子は74%、大学生女子は80.6%、20代社会人女子が69.2%。全女性クラスタがミドル層にダブルスコアをつけています。
またインスタグラムの利用時間は、もっとも長い大学生女子で平日55.3分、休日62.7分にのぼります。ツイッターとインスタを行き来するようにして使う女性もいることを考えると、1日あたりのSNS滞在時間は2時間以上に達するはずです。
なかでも20代女性といえば、マーケティングの世界で最重要といわれる「F1層」にあたります。収入自体は高くないかもしれませんが、多くが独身女性であり、消費行動が活発です。特に、美容やファッションなどには、お金を惜しみません。そのため、企業の広告・広報においてもターゲットになることが多い層です。
その、F1層を完全につかんでいるのがインスタグラムであり、ツイッターなのです。そう考えるだけでも、SNSがいかに優良な広告媒体か、おわかりいただけると思います。この層に「刺さる」SNS広告が打てれば、バズが生じ、商品が売れやすいのも当然のなりゆきです。
明暗をわけるのは“若者に任せられるかどうか”
ところが現実には、Z世代に「刺さる」SNS広告を打てる企業と打てない企業とで、明暗がわかれています。原因はどこにあるのでしょうか。
一言でいえば、それは若者自身にSNS広告を任せられるかどうか、です。
自分の失敗談も交えてお話しようと思います。2021年、私は芝浦工業大学(以下、芝浦工大)と広報アドバイザー契約を結び、理工系分野のイメージ向上や、“リケジョ”(理系女子)増加などの、お手伝いをしました(2022年4月からは教授に就任)。
広報課の職員らとともに多くのSNS広告・SNS広報を研究したり、『Z世代に学ぶ超バズテク図鑑』に書いてあるメソッドを使って職員自ら発信していただいた結果、わずか数カ月でTwitterフォロワーが3000人も増えました。7月上旬時点で1万人に迫る勢いです。
そこで改めてわかったことがあります。
バズの法則を学び、過去にバズったSNS広告・SNS広報の真似をすれば、私たち「おじさん」たちも、ある程度までは結果を出すことができます。しかし、SNSの経験不足は否めず、マネをするネタが切れると伸び悩むのです。