子ども名義の口座で注意すべき4つのポイント

子ども名義の口座では、注意しておきたいことがいくつかあります。

①贈与税の対象になる場合がある

子ども名義の口座をすでに開設している人の中には、子どもの成人や結婚などの際にその預金をあげるために開設したという人も多くいます。子どももきっと喜ぶことでしょう。

しかし、子ども名義の口座で貯めたお金を譲渡する場合には、贈与税に注意が必要です。子ども名義の預金が「名義預金」(口座名義と実際に管理を行う人物が異なる口座)と扱われると、贈与税の対象となる場合があるのです。

子ども自身が通帳や印鑑を管理していない場合には名義預金扱いされ、贈与税の課税対象になる可能性があります。お小遣いや生活費の仕送りなど、扶養義務者間で、生活費や教育費として贈与した財産には贈与税がかからず、一般的に非課税です。しかし、子ども名義の口座のお金がそれらに該当しないと判断された場合は、贈与税がかかるというわけです。

具体的には、その年の1月1日~12月31日までの1年間で110万円を超えると、超えた分が贈与税の対象となります。

たとえば図の通り、親が子どもに300万円を贈与した場合には

課税価格:300万円−110万円=190万円
贈与税額:190万円×10%=19万円

となり、贈与税は19万円となります。

親が子どもに500万円を贈与した場合には

課税価格:500万円−110万円=390万円
贈与税額:390万円×20%−25万円=53万円

となり、贈与税は53万円となります。

贈与税を少なくするには、学費などの資金が一定金額まで非課税で贈与できる「教育資金贈与」や、年間110万円以下の贈与が非課税となる「暦年贈与」を活用しましょう。

写真=iStock.com/RichVintage
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子どもにも口座の存在を知らせておく

②相続税の対象になる場合がある

仮に親や祖父母など、贈与する予定だった人が子ども名義の口座の存在を子どもに知らせず亡くなった場合には、口座のお金は子どものものではなく、亡くなった人の財産として扱われ、他の財産とともに相続人たちで相続されることになります。子ども名義の口座の存在は、早いうちから子どもに伝えておきましょう。

③内緒にしておくと同じ銀行で子どもが口座開設できない

子どもも高校生以上になると、アルバイトなどで稼いだお金を受け取るために金融機関の口座を利用することがあるでしょう。勤め先から振込先の金融機関や支店を指定される場合もあります。すでに子ども名義の口座があると、同じ金融機関や支店で複数の口座を持てないなどの制約があるときに、口座開設できないということになりかねません。