まずは子供の気持ちを言語化して共感してあげる
一つ目は「子どもの気持ちを言語化して共感、承認する」ことです。そのうえで親は、「親としてはこう思うけれど、あなたはどう思うの?」と自分の気持ちを伝えて子どもに決めさせる言い方をします。
世間体を気にする親御さんによくあるのが、子どもが選んだ服に対して「なんでそんな服を着るの?」と言ってしまうこと。しかし子どもは子どもなりに、それがいいと思って着ているわけですから「その服が着たかったんだね」と、まず共感して、承認してあげる。
子どもが成長して、面接など何かオフィシャルな場所に行くときに、親としてふさわしくないと感じる服装をしていたら「面接なら、こっちのほうがいいと思うけれど、どうかな」と自分の気持ちを伝えて問いかけます。
それでも本人が自分で選んだものがいいと思えば、それでかまわないのです。親がこれを着ていきなさいと決めるのではなく、子どもが自分で選ぶ、親は子どもにそういう機会を与えてあげることが大切なのです。
否定するのではなく具体的な指示を出したほうがいい
2つ目のポイントは「否定語を使わない」ことです。以前、駅で見かけた光景に感動したことがあります。5歳くらいの男の子が電車を好きなのか、テンションが上がって、駅のホームをバーッと走りだしたんです。私ですら、線路に落ちたら危ないなと思うようなシーンでした。
そうしたら、お父さんらしき男性が、その子を追いかけて手をつかんで「ここは危ないから歩こう!」って言ったんです。この状況なら「こら! 走るな!」と大声を出してしまいそうなのに、「歩こう!」と表現されたのには驚きました。おそらくこの人は、ふだんから子どもを否定しないようにしているんだろうなと思いました。
そういう家庭なら、子どもは自分が否定されない安心感から、心もすこやかに育っていくでしょうね。
まず子どもの気持ちに共感してあげよう
子どもをしかるときは、理由を示して明確な基準を示しましょう。親の考えを
伝えながら、対話することも重要です。精神的に余裕がないと感情的にしかっ
てしまうおそれがあるので十分に注意。伝えるときは、子どもの気持ちに共感、
承認すること、否定語を使わないことを大切にしてください。