守りを固めつつ、成長期待の高い分野を伸ばせるか
やや長めの目線で考えると、世界経済全体でデジタル技術の実用化に向けた取り組みは増えるだろう。自動車の電動化は加速し、自動運転技術の研究開発と実用化をめぐる競争が熾烈化する。メタバース関連の事業機会に加えて、世界の企業のサプライチェーン再編も加速する。各国の企業が中国からインド、ASEAN地域などに生産拠点をシフトし始めた。
サプライチェーンの様相が大きく変化する中で、企業が発注した品物がどこにあり、いつ最終目的地に到着するかを効率的に把握するシステム開発は急務だ。いずれもクラウド需要を押し上げる要因になるだろう。
GAFA各社は守りを固めつつも、クラウドなどより成長期待の高い分野での取り組みを加速しなければならない。各社のトップに求められるのは、あきらめずに変化に対応し、新しいビジネスモデルを迅速に確立することだ。それが実行できるか否かが、各社の中長期的な成長に決定的なインパクトを与えるだろう。