FD本体は極めて薄い磁気記憶媒体であるため、CDやDVDなどと比べて故障しやすい。

「気づかないうちに磁気に触れてデータがとんでしまうことがあります。それでも、CDを使うように強制することはできません。あくまでお願いベースです」(厚労省担当者)

保証期間はとっくに過ぎている

ちなみに、現在インターネット上などで販売されているFDのほとんどは10年以上前に製造された未使用在庫品である。メーカーもこんな長い期間、使われ続けるとは想定していなかっただろう。当然のことながら、保証期間はとっくに過ぎている。

パソコンの周辺機器の老舗メーカー、ロジテックが「最後のWindows対応のUSB外付け型FDドライブ」の販売を終了して、久しい。ただ、パソコン用品メーカーの大手のエレコムに聞くと、FDを収納するプラスチックケースは「数量は少ないですが、現在もコンスタントに売れている状況です」と言う。

昭和に輝いたテクノロジーの産物FDだが、令和のこの時代でも根強く使われていることがわかった。コレクションとして私的に使うのはいいが、触ったことも見たこともない若年層も多い中で公的機関が業務で使用するのは、そろそろ潮時ではないだろうか。

(AERA dot.編集部・米倉昭仁)

関連記事
「EUの脱炭素戦略はそもそも無理筋だった」ウクライナ戦争で明らかになったロシア依存の危険性
アディダスでも、ナイキでもない…昭和のサッカー少年が愛した「国産スパイク」を覚えているか
ハーバード卒のパックンが驚いた「見栄のために金を使う日本人の根本的問題」
今すぐEVシフトしなければ日本経済は死ぬ…ウクライナ侵攻で早まった「ガソリン車消滅」の衝撃波
クルマの中ならiPhoneより便利…カーナビの生みの親パイオニアの渾身作「画面なしナビ」の勝算