大前研一●ビジネス・ブレークスルー大学学長。1943年福岡県生まれ。早稲田大学理工学部卒業。東京工業大学大学院修士課程修了。MIT工科大学大学院博士課程修了。工学博士。最新著『訣別 大前研一の新・国家戦略論』(朝日新聞出版)は「大阪都構想」の理論書でもある。

大前 私は日本全体の仕組みを変えることはあとでいいと思うんです。先ほど述べた鄧小平の一国二制度ではないですが、まずは先にやれるところからおやりなさい、と。それがうまくいけば、「自分たちもやらせろ」と一気に全国的に運動が盛り上がってくる。とにかく先行事例をつくらないと何も始まらない。

私が95年に都知事選に出馬したときは、平松(守彦・前大分県知事)さんや梶原(拓・前岐阜県知事)さんと連携して「新・薩長連合」という構想を文藝春秋で発表して名乗りを上げたんです。明治維新のときと同じようにいくつかの自治体が連合して国を変えようとしたんです。でも私自身が落選してしまい、平松さんに「おまえ、何やってんだ」と言われたのですが(笑)。

橋下 いきなり国の制度を変えるのはどだい無理な話です。一地域の改革がどれだけ全体に広がっていくかにかかっています。そのためには一国二制度、いわゆる特区を国に認めてもらわなければなりません。ここにどう風穴を開けるかなのです。