橋下 僕は先の選挙において「大阪都構想」を掲げて統治機構の変革の必要性を訴えました。統治機構の変革は話し合いで解決できるような簡単な話ではない。これは権力闘争ですから、必ず次の衆議院選挙の争点に持っていく。今までの選挙のスタイルというのは、有権者の皆さんにいかに美味しいリンゴを与えるかどうかだったと思うんです。
大前 “バラマキ”ですね。
橋下 まさにそうです。しかし、今度の選挙は美味しいリンゴを与えるのではなく、美味しいリンゴの木がなる土壌や畑をどうつくり替えていくかを、国民の皆さんにしっかり示すべきだと思っています。ただ、畑の耕し方とか肥料を与えるタイミングというのは、なかなか説明が難しい話なんですけどね(笑)。
自民党、公明党、みんなの党さんも道州制を明確に掲げている以上、従来通りの、バラマキ的な政策ではなく、日本の国の形、統治機構を変えることを争点にしていただきたい。そこに政治グループだけではなくて、元祖、道州制の提唱者でいらっしゃる大前先生をはじめとして、志ある皆さんの力を結集するような形で動かないと。これは政治家だけでは動かない問題です。
大前 要するに政治家でもない、官僚でもない、今の大阪の当事者でもない第三者委員会のようなものを立ち上げることも必要かもしれません。大体そういう委員会は烏合の衆になりがちだから、私は嫌いなんですがね(笑)。
※すべて雑誌掲載当時
(小川 剛=構成 市来朋久=撮影)