フューチャーセンター・セッション開催に向けての、最もオーソドックスな5ステップを紹介します。
(1) Select Theme:視野を広げてテーマを設定
(2) Invite Diverse People:多様性を確保して人集め
(3) Produce Hospitality:非日常経験を演出
(4) Facilitate Dialogue:主体性を引き出す運営
(5) Foster Execution:参加者全員の深い気づき
この5ステップを具体的なフューチャーセンター・セッションの事例を通して、お話ししたいと思います。これは、ある企業の新規事業立ち上げに向けたフューチャーセンター・セッションの事例です。
(1) Select Theme:視野を広げてテーマを設定
この新規事業プロジェクトにとって、「テーマ設定」は特に重要なプロセスでした。新規事業検討チームの問題意識は、ワークスタイル、クリエイティビティ、コミュニティ、ヘルスケアと多岐にわたり、社会変化の兆候を見ようにも、あまりに広い範囲を見ていく必要がありました。専門家を交えて議論を重ね、「高齢者や障害者はもとより、子育て中、介護休暇中、さらにはフリーランサーも、社会から切り離されてしまっていると感じることが多いのではないか」という、強い問題意識を持つに至りました。
そして、「たんにITネットワークでつながるコネクティビティ」から、「コンタクティビティ(社会的なつながり)」へ、というテーマ設定を行いました。このテーマ設定により、「社会的な繋がりを本当に必要としている人は誰なのだろうか?」というパワフルクエスチョンが生まれました。