<決まり文句や一般論を避ける>

企画書における常用文は、郵便受けに届くダイレクトメール同様ゴミ箱行きの郵便物のようなものだ。簡単に見破られ、企画を退ける手頃な理由となる。また決まり文句を使うと、企画書の独自性においてもプロジェクトを重要視していないと思われてしまうだろう。唯一容認される決まり文句は、標準的な契約書、料金表、ならびに秘密保持契約の部分のみである。

また、一般論や誇張も避けなくてはならない。「まさに適任の」とか「広範にわたる経験」、その他信頼性を低下させるような曖昧な大言はすべて排除する。「企画書」などの一般的な名称も避けること。代わりに、「コスト効率のよい在庫管理による包括的な品質向上プログラム」のように説明的にすべきである。
 企画書はできるだけ短くする。短い企画書は、真っ先に目を通されることが多い。

通っても落ちてもその「理由」を聞く

企画のプロセスは、企画書を提出して終わるわけではない。予備選考を通った企画書は、プレゼンテーションの機会を得る。顧客は、この機会を利用して、企画案で提起された問題を検討するだけでなく、相性と力量を判断する。採用されようとされまいと、結果について説明を求めることが、企画管理プロセスを改良し、採用成績を改善するうえできわめて重要である。採用された場合は、その理由を聞く。採用されなかったときは、なぜだめだったのかを聞く。その理由がわかれば、将来の企画の向上に役立つだけでなく、ときには、将来の仕事の踏み台になる。特定の分野のアドバイスや技能が優れていた場合は特にそうである。

企画書は、マーケティング活動の補足ではない。うまく書かれた企画書は、実際、もっとも優れたセールス手段、そして長期にわたる関係を築くきっかけになりうるものである。

※参考文献
The Consultant's Guide to Proposal Writing:How to Satisfy Your Clients and Double Your Income by Herman Holtz(John Wiley & Sons 1998)

(翻訳=ディプロマット)