訓練しても「ショートスリーパー」にはなれない
睡眠時間について語るときによく耳にするのが、「ショートスリーパー」という言葉です。ショートスリーパーの定義は1日5時間以下の睡眠時間で十分な人のことをいいます。
「私はショートスリーパーだから、1日3、4時間の睡眠で十分だ」という人がいますが、本当にショートスリーパーはいるのでしょうか?
答えはイエス。確かに存在します。でも、多くても数百人に1人以下という非常にまれなケースで、遺伝的に決まっているといわれています。なので、訓練でショートスリーパーになれるわけではありません。
しかし、「私はショートスリーパーだから、睡眠時間が短くても問題ない」と言っている人の大半は、本来のショートスリーパーではなく、どこかで無理をしていると思われます。
ショートスリーパーで有名なのはナポレオンですが、実は昼間にウトウトしていたとも伝えられているので、本当は違っていたのかもしれません。
一方で、1日10時間以上の睡眠が必要な「ロングスリーパー」も存在します。アインシュタインがロングスリーパーだったことは有名で、10時間は寝ないとだめだったといわれています。また、2002年にノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊さんは11時間寝ていたそうです。
休日、目覚ましなしで何時に起きられるか
このように、個人の体質として、適正な睡眠時間は非常に大きな幅があります。となると、自分の適正な睡眠時間を知ることは、ある意味で人生を有意義に過ごすために重要なことかもしれません。
では、どうすれば適正な睡眠時間がわかるのでしょうか?
例えば、ショートスリーパーだと自認している人が本当にそうかを確かめるには、休みの日に目覚まし時計をかけずに自然と目を覚ます時刻が、いつもよりどのくらい遅くなるかが1つの目安となります。十分な睡眠がとれている人だと、目覚まし時計をかけずにいつも通りの時刻に目が覚めます。睡眠時間が2~3時間も長くなってしまう場合は睡眠不足と言えます。
平日8時間くらい寝ているのに、休日に目覚ましなしだと昼近くまで寝てしまうという人もいるかもしれません。そういう人は8時間では睡眠不足であり、10時間程度の睡眠時間が必要なロングスリーパーの体質だということがわかります。