凄腕の運転手の勘は「大体、当たる」

加えて、近年はドラマが減り、バラエティやCMが増えてきた。後者の場合は、2本撮り、ひどい時は3本撮りというのもある。大物タレント(司会者、CMのメインであることが多い)を起用する場合は、1日で2回分、3回分を撮るのである。ゲストは、収録の切れ目で自分の出番が終わるから、タクシーに乗って自宅に帰ることになる(大物タレントは運転手付きの自家用車で来るからあまりタクシーは使わない)。

これもタクシー会社に入る電話を自分なりに分析して、無駄なくロングの客を取っている人が高額所得者である。

竹内一郎『見抜く力 結果を出す人はどこを見ているか』(河出書房新社)

大物タレントが来る日は、ローテーションでわかる。後は、収録の切れ目の時間を運転手同士で読み合うのである。最後は勘だというが、ロングをたくさん取る人は毎月変わらない。凄腕の人に「勘は外れることも、ありますよ」と聞いた。「ことも、ある」という言い方から、自信がうかがえる。「大体、当たる」のである。

凄腕はスタジオを往復するタクシーの流れで、収録の動きを推測する。答えは誰も教えてくれない。自分で成功法則を編み出しているのだ。

もちろん、人には教えない。本に書かれるのもこれが初めてだろう。本当にいい情報は本にもインターネットにも書かれないものだ。それを知るものが、誰にも語らずに自分だけで使っている。

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