外食やテイクアウトばかりで、包丁もIHコンロも使わない

小林さん夫婦は、子供が独立後はもっと生活費が減るだろうと見込んでいたようですが、実際にはなかなか減らなかったこと(他の家庭でも減らないことが多い)、またシミュレーションで将来見込まれる不足額の実態を知り、驚いていました。

とはいえ、人生は一度きりです。やはり楽しみも取り入れた老後を送りたいということで、老後資金を増やすべく、支出の見直しをして、貯金可能額を増やしていくことにしました。

メタボ家計の元凶は何でしょうか。

その筆頭は食費(月額)です。外食や中食(テイクアウト)が中心で、ふたり暮らしでも11万5000円です。自宅キッチンで使うのは電子レンジや食洗器くらいで、包丁もIHコンロも使わない。コロナ禍で「せめて食事くらいは」とお金をかける生活がスタンダードになったようです。また、高めの血圧と血糖のコントロールのために定期的に病院に通い、健康食品やサプリ、管理栄養士が献立を立てた宅配の療養食を日常的に利用し、食事内容は量より質を重視するため食材へのこだわりも強いです。療養食は安易に減らせませんが、食材へのこだわり方や健康食品の量について、どれが大切で、どこを妥協できるかを含めて検討してもらい、削減を試みました(7万8000円に減額)。

日用品(1万5000円)についてはコロナ禍の影響を受けてか、洗剤やティッシュ、マスクなどの買いだめが多くなっていました。そのため、在庫が2~3個になってから買い足すというルールを設け、日用品の削減をしています(8000円に減額)。

交通費、交際費、娯楽費は必要最低限を意識し、必要性が高くないのに利用するときは小遣いから出すことにしました。小遣い(夫4万円、妻2万円)はやや多めなのかと思いましたが、支出すべき負担が増えているので、そのままです。こうして、大切にしたいこだわり支出はある程度残しつつ、支出を6万2000円ほど減らすことができました。今後さらに無理なく削減できそうな部分を見つけながら、将来に向けてお金を積み立てていく予定でします。