カビの発生を抑えるのに効果的な掃除場所

カビの三大要素は、湿度と温度と汚れです。

この3つの条件が揃うことで、カビは爆発的に増えていきます。それを防ぐには、このなかのどれかを断つことです。条件が1つ減るだけで、繁殖はグンと押さえられます。3つのなかで、何を断つのがよいと思いますか?

松本忠男『病気がイヤならその掃除をやめなさい。』(河出書房新社)より

温度を断つのは難しいでしょう。カビは20度を超えると繁殖しますが、部屋の温度をそれ以下にしたら、寒くて仕方がありません。

「カビを増やさないために寒いのを我慢する」というのでは、違う病気になってしまいそうです。

湿度は? 風を回すことで、湿気を飛ばすことができるため、ある程度は改善できそうです。でも、部屋の隅々にまで風を回すのはとても難しいといえます。

入居したばかりの何もない部屋なら可能ですが、人が暮らす部屋には家具があり、モノもあります。そこで風の流れがさえぎられ、湿気が溜まってしまうのです。

温度も湿度もダメ。だったら残りは1つ、汚れを断つことです。ホコリ、食ベカス、食品、粉や調味料、髪の毛、剥がれ落ちた皮膚、皮脂、浴室の石鹸カスやシャンプーなど、カビはなんでも栄養源にしてしまいます。

そのすべてを完璧に取り除くことはできません。それでは一日中掃除をしていることになります。それは現実的ではありませんね。完璧に取り除くのではなく、こまめに掃除をして、汚れを減らせばいいのです。

20~30度の温度と高い湿度があり、風が流れない場所を見つけ、そこをこまめにお掃除するだけでも、カビは大幅に減らせます。

「すべての部屋を掃除しなきゃ」とか「汚れを完全に取り除かなきゃ」と考えるのではなく、カビの増えそうな場所の汚れを減らす、というゆるい発想のほうが、逆に効果的だったりするわけです。

カビが発生しやすい場所を見つける簡単な方法

湿度は目に見えませんが、見えるようにする方法があります。除湿剤を家のいろいろな場所に置いてみるのです。

タンス、下駄箱、押し入れなどに置く人は多いと思いますが、他の場所にも置いてみましょう。

すると、すぐに水が溜まる場所と、溜まらない場所があります。除湿剤に水が溜まる場所は、湿気が多い場所です。

つまり、風の流れが悪く、カビが繁殖しやすい場所なのです。各部屋、人が集まるリビングは数カ所、寝室もベッド脇とそれ以外など、除湿剤を置くことで、湿度を可視化する。

これも見えないカビ対策の有効な方法です。