ディズニーランドの「ミッション・ステートメント」

ディズニーランドの構想はごく単純なものです。それは、人々に幸福と知識を与える場所になる、ということです。

親と子が一緒に楽しめる場所であり、教師と生徒が物事を理解し学ぶための、より良い道を発見する場所なのです。年長の人たちは過ぎ去りし日々の郷愁にふけり、若者たちは未来への挑戦に胸を躍らせる。ここには、自然と人間が織りなす不思議の世界が広がり、人々を待ち受けています。

ディズニーランドは、アメリカという国をつくった理想と夢、そして厳しい現実を原点とし、同時に、それらに捧げるものなのです。そして、その夢や現実を、ユニークな手法で表現し、勇気とインスピレーションの源として世界に贈ろうとしているのです。

ディズニーランドは、博覧会、展示会、遊園地、コミュニティー・センター、現代博物館、そして美と魔法のショーを集約したものなのです。

ここは、人類の功績や喜び、希望にあふれています。こうした不思議を、わたしたちの生活の一部とするにはどうすればよいのか、それをディズニーランドはわたしたちに連想させ、教えてくれるのです。

写真=iStock.com/Jorge Villalba
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遊園地業界の大物4人にランド計画を披露

これこそが、プライスが「実行可能性分析のハイライト」と呼んだものだった。1953年11月、シカゴのシャーマン・ホテルで開かれた遊園地経営者の年次総会兼展示会にて、プライスはそれを披露した。「スイートルームに、全米屈指の遊園地経営者を4名招待し、ウィスキーとキャビアをふるまった」プライスによると、その4人の顔ぶれはこうだった。

「みな遊園地業界の大物だった。シカゴの〈リバービュー・パーク〉のウィリアム・シュミット、ニューオーリンズの〈ポンチャートレイン・ビーチ〉のハリー・バット、(シンシナティの)〈コニー・アイランド〉のエド・ショット、そして、サンフランシスコの〈ホイットニー・プレイランド〉のジョージ・ホイットニーだ」

こうした野外遊園地のプリンスたちに対し、プライスとナット・ワインコフ(ランド計画プロジェクト・アシスタント)、C・V・ウッド(ランド計画ジェネラル・マネージャー)は、ライマンの描いた完成予想図(補足となるイラストが何枚も添えられていた)を示しながら、2時間かけて、建設予定の遊園地について説明した。

実物大の船尾外輪船が浮かぶ川、岸辺にジャングルの動物を眺めながら、モーターボートで川下りができる熱帯の水路、こびとたちのダイヤモンド鉱山を通り抜け、ロンドンからピーター・パンのいるネバーランドまで飛んでいける電動の乗り物、いまだ構想が固まっていないトゥモローランド。

20世紀初頭の街並みを再現した大通りや、城がそびえる中央広場。すべてが汚れひとつない豊かな景観に囲まれているのだと。