3年後のゴールに向けたロードマップを準備しよう

わが子に中学受験をさせるのであれば、親はその準備期間にあたる3年間が、どのような構成になっているのか、きちんと把握しておくべきだ。ロードマップにたとえてみるといい。スタート地点から3年後のゴール地点までどんな道を進むのか。途中、大きな山や走りにくい道はないか。走りにくそうな道があったら、回避するべきか。事前に心構えをしておき、頑張って越えてみるか。

事前に進む道を把握していたら、たとえ途中で走りにくい道が出てきても、慌てずに済む。ところが、何も知らずに出くわすと、慌てるだけでなく、大事故を起こしてしまうこともある。中学受験もそれと同じで、事前に3年間のカリキュラムを把握できているかどうかが、実はとても重要なのだ。ひと学年ずつ説明していこう。

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4年生は「勉強のやらせ過ぎ」に要注意

中学受験における4年生の学習ポイントは、学習習慣を身に付けることと、基礎を固めることだ。低学年のうちからすでに受験を意識してきた家庭は、学習習慣を身に付けるという点はすでにできているかもしれない。だが、そういう家庭は先走る傾向があり、すでに子どもにあれこれやらせ過ぎているケースが多い。

4年生の勉強は基礎が中心なので、塾の授業についていけなかったり、宿題でアップアップしてしまったりすることはあまりない。すると、まだ余裕がありそうだから、別の問題集もやらせておこうと、4年生のうちから勉強をやらせ過ぎてしまう親がいる。

4年生のうちは、上位クラスをキープできるだろう。だが、その成功体験が5年生になったときに足を引っ張ることになる。このままたくさん勉強をさせれば、難関校に合格できると思い込んでしまうのだ。5年生になって塾の勉強が基礎から応用へとステップアップすると、学習量が増え、難度が一気に上がる。それまでの「大量学習による好成績キープ」という勉強のやり方が通用しなくなるのだ。